観戦

2009年2月22日 (日)

平成20年度愛知県大会 観戦記

更新が1週間なくて、申し訳ありませんでした。

昨年12月より、マメな更新を心がけていたのですが、仕事での実習生への対応と練習でアップアップとなってしまい、ブログに向かい合うことができませんでした。まだ、このような状態は続くと思いますが、時間をつくる努力をしつつ、更新をしていきたいと思います。

練習でもそうなのですが、「この15分を大切にする」という気持ちを持つことが、自分の時間をつくる秘訣かと思います。仕事中心の生活となりますので、なかなかスケートの時間をとることはできませんが、「ならば5分だけでも...」と思いつつ日々を過ごしています。練習の絶対量は足りませんが、気持ち的には満足しております。

昨日(2月21日土曜日)に、名古屋の日本ガイシアリーナ アイスリンクで行われた、「知事賞争奪 愛知県フィギュアスケート選手権大会」を観に行ってきました。

パンフレットの競技要綱のページを見ますと、この大会の出場資格はFDテスト(バッジテストのことだと思われます)総合3級かノービスB(シングル3級以上の9-10歳 こちらのサイトの記述によります)の選手以上となっております。

同じ時期・会場で、「教育委員会賞争奪 愛知県フィギュアスケートジュニア競技会」という大会も開催されており、こちらは、FDテスト総合2級からFDテスト初級以下のクラスまで設定されております。ですので、級を持っていない選手でも参加は可能なようです。

選手のクラス分けは、基本的に年齢ではなく級別となっておりますので、7級を持っていれば中学生でも選手権クラスに出場することができます。ただし、ノービスAとBだけはクラスが設けられており、ノービスの選手はそのクラスで出場するか、保持している級に該当するクラスで出場するかを選択することができます。

昨日は仕事がなかなか終わらず、会場に着いたのは20時を回っておりました。ちょうど、選手権クラス女子SPの前の整氷を行っているところでした。会場は選手と関係者の他にもお客さんがパラパラといらっしゃってました。2年前のこの大会は、ほとんど一般客は入っておらず、なんだか非公開での演技会のような雰囲気でしたので、やはりフィギュアスケートの熱は根強いものがあるのではと感じました。もちろん、NHK杯や全日本選手権と比べたら、かなりローカル色の強い大会ではありますが。

今回は、鈴木明子選手が出場しないことになりましたし、宮本亜由美選手もユニバシアード冬季大会に出場ということで、ちょっと寂しかったです。しかし、引退を控えている曽根美樹選手や、思うようにシーズンを過ごせていなかった松原彩華選手、日置檀選手の調子をうかがう機会でもありますし、全日本で活躍した村上佳菜子選手、後藤亜由美選手、中村愛音選手の演技をもう一度観たいとも思っていました。ローカル大会ながらも、やはり豪華な顔ぶれだと思います。

急いで会場に向かい、メモの用意もしなかったので、記憶に頼って印象に残ったことだけを記します。

一番印象的だったのは、松原彩華選手でした。全日本ジュニアの前から故障に苦しんでいたと聞いたことがありましたし、その後の大会も棄権していたと思います。所属はグランプリ東海クラブでアナウンスされましたが、付き添っていたのは邦和スケートクラブの先生方でした。所属変更があったのかもしれません。身長が伸び、体型もやや大きくなった印象を持ちました。6分間練習ではジャンプが全然降りられず、パンクやすっぽ抜けを繰り返していました。種類もトリプルですが、トゥループとサルコウだけだったと記憶しています。

曲は今シーズンのSPであるサンサーンスの「死の舞踏」でしたが、最初のジャンプがルッツからトゥループに変更してありました。ジャンプは3つとも成功しましたが、ギリギリで降りれたという感じで、やはり体型変化と闘っているのかなという印象です。

でも、本番できっちりまとめた演技をすることと、体重をもてあまし気味の印象ではありましたが、演技に破綻がなく身体を十分に使って、いつものように豊かな表現をみせてくれたことに感銘を受けました。怪我をする前から繰り返し練習していた積み重ねは、今も松原選手の中に息づいているのかなと思いました。成長期を経て、身長が伸び、骨密度が増すのですから、どうしても体重は増加します。もしもそれを止めるとすれば、無理なダイエットで文字通り骨身を削ることになるかもしれません。それが、スポーツをやる者に求められるのか、私は疑問を抱いています。ですので、以前よりも身体的に成長した松原選手が、その身体を使って演技する力も身につけたのだとすれば、素晴らしいことだと思います。細身で高くシャープに跳ぶのが身上だった選手ですので、成長期は試練かもしれませんが、どうか、身体だけでなく精神的にも成長の機会になることを、願って止みません。

中村愛音選手も、その意味では試練を経験したのかもしれませんが、本日の演技では逞しさを感じました。曲はヴェルディの”レクイエム”で、マキシムのバージョンで間違いはないようです。

余談になりますが、この選手権女子のSPでは、中村選手の他に、曽根選手(リストの死の舞踏)、村上友季子選手(グリーグのピアノ協奏曲)、三ツ矢真惟子選手(ワンダーランド)と13名中4名がマキシムのバージョンでの曲を使用していました。トリノオリンピックの頃にマキシムの曲を使う選手が目立ったように感じていましたが、今も選手達の間ではマキシムは人気が高いようです。

話がずれましたが、中村選手は予定したジャンプもきっちり降り、スピンも軸が安定して速い回転でした。スパイラルでY字のフリーレッグを挙げるのに手間取っていましたが、落ち着いてポジションを決めて滑り続けました。このあたりは、エッジコントロールに安定があるので、思わぬミスでも動じずに演じ続けられるのかなと思いました。締めは、アップライトでのスピンからポーズを決めるのですが、高速の回転から身体をピタっと止めるのは余程スキルが高くないと見栄えがしないように思います。その意味でも、中村選手の努力というか、センスというか、卓越したものを感じました。

村上佳菜子選手は、6分間練習中にルッツがパンクしており、リンクサイドの山田コーチからアドバイス(おそらく、踏み切りの時の右腕の使い方だと思います)を受け、その後は2回ほど決めていました。反対側で跳ぶフリップもちょっと苦労していたようです。でも、本番ではジャンプはきちんと決めました。

演技に、良い意味でのゆとりを感じました。緩急のつけかたが上手なのは以前から感じていましたが、曲のほんの短い表情でも振付の手や腕の動かし方で表現しており、曲と演技とのシンクロが本当に見事です。ひとことで言ってしまえば、曲と振付をすっかり自分のものにしている、と思います。まだ、子供っぽさを感じる演技内容ですが、成長に従って様々な雰囲気を魅せてくれるのではないかと期待しています。といいますか、今でも、子供っぽく見えても、演じてみせる選手自身のスキルはすっかり大人になっているという印象を抱きました。順位や点数も立派ですが、それよりも印象で観客の記憶に残り続ける選手だと思います。

村上選手は第二グループで出場しましたが、ちょうど第一グループの最終演技者がお姉さんの村上友季子選手でしたので、佳菜子選手が6分間練習でリンクに入ろうとした時に、リンクからあがるお姉さんと鉢合わせする形になりました。一瞬、お互い顔を見合わせた様子が、ちょっと面白かったです。

友季子選手も、確か、ジャンプが前降りのものもあったと思いますが....(記憶に頼っています、すみません)、マキシムの演奏によるグリーグのピアノ協奏曲を間断なく演じ続け、良い印象を与えてくれました。

雑多な感想になってしまいましたが、以上です。本日は、スケート教室の最終日なので、ボランティア参加のために大会観戦はできません。ちょっと残念ですが、ボランティアの方を頑張ります。

2009年2月 7日 (土)

4大陸選手権のFSと結果点数の予測

頭の怪我の療養(というほどでもないが...昨晩も練習に行ってきたし)をしている間に、バンクーバーでは、4大陸選手権が始まっていた。本日の夜から地上波でテレビ中継をするらしい。結果は、ネットに出ているので、演技の実際に注目して観てみたいと思う。

女子SPだが、浅田真央選手が6位というのには、びっくりした。サンデー毎日の記事の内容が気になっているが、まだ読んでいない。懸念を払拭する頑張りを祈らずにはいられない。

ただ、4大陸選手権そのものは、SPの出来から考えると、結果を問うべき状況でもないと思う。シニア昇格から初めて、真央選手が表彰台から落ちてしまうのかは気がかりだし、3位の可能性は信じたいが、キム・ヨナ選手に負けるとしても、今回は受け容れるしかないようにも思える。借りを返す機会はきっとあるだろう。

そんなことを考えながら、気になったことがあった。フィギュアスケートは、毎年ルールが変わっているので、得点は年度ごとに高い・低いがあるのは仕方ないと思う。でも、同じ大会での総得点に占めるSPとFSの割合はどうなのだろう?ということだ。

例えば、私の印象なのだが、ヨナ選手はSPでは圧倒的に強いが、FSでミスして伸び悩む傾向がある気がする。反対に、真央選手はSPで出遅れ(コンビネーションジャンプの失敗が多いように思う)、ジャンプが沢山飛べるFSで得点を挽回するイメージがある。なので、総得点に占める割合としては、ヨナ選手はSPが多め、真央選手はFSが主という感じではないかと思うのだ。もし、そうなら、真央選手の挽回をFSで期待できるかもしれない。

この印象が違っているとしても、ある選手の総得点におけるSPとFSの割合の傾向を知っていれば、SPの点数からFSや総得点の予測ができるのではないかと考えるのだ。

で、計算してみた。まずは、真央選手....。

2008-09シーズンの、TEB(フランス大会)・NHK杯・GPF・全日本のSPとFS、FS/SPの平均とそれぞれの標準偏差を出すと

平均 SD
SP 63.36 3.04
FS 119.07 6.48
FS/SP 1.88 0.06

SDは標準偏差の略。説明はこちらを見てほしいのだが、SPで言えば、ほぼ70%の確立で、平均値(63.36)プラスマイナス標準偏差(σ=3.04)の間に入る計算になる。もっとも、全体の値が正規分布をとることが前提だが。

そして、真央選手の今回の4大陸選手権でのSPの得点が、57.86である。正規分布ではほぼ96%が含まれる、プラスマイナス2σ(標準偏差の2倍)の幅が、57.28 ~69.44なので、およそ想定できる範囲一杯の低い得点と言えるかもしれない。

問題は、このSPの得点をもとに、同じ大会でのFSの得点を予測できるかということだが、FSの得点を同じ大会でのSPで割り算した値の、2008-09シーズンの平均をみると、1.88である。なので、今回のSPの得点57.86を1.88倍したのが、FSの平均的な予測値となると、私は考える。計算すると、108.8点になり、総合得点は166.6点である。

この得点は、今シーズンのGPFで言えば、4位のロシェットの166.36とほぼ同じであり、3位のコストナーの168.01にあと少しである。これを考えると、真央選手の表彰台は、まだ希望があると思われる。標準偏差(1σ)の幅で予測すれば、

FS(総合)は105点(163.3点)~112.1点(170.0点)

    の間にあると考えるのが妥当と思われる。

ちなみに、同じ計算をキム・ヨナ選手と、ロシェット選手でしてみた。

キム選手のSP72.24は、2008-09シーズンの3大会(USA,CHN,GPF)の平均+2σである71.18を更に越えている得点であり、ひらたく言えば、考えられないくらいの高い得点である。もっとも、データが3大会しかないので、説得力はあまりないが...。このSPの得点をもとにして、FSと総合得点を予測すると、

FS(総合)は、130.9点(203.2点)~139.26点(211.50点)

 という信じられない得点となってしまう。

というのも、FS/SPの割合で言えば、2008-09シーズンは、真央選手が1.88に対し、キム選手は1.87で、ほぼ変わりがないのだ。なので、「キム選手はSPで良くてもFSで失速する」との予測が立てにくい。

先ほども記したとおり、2008-09のデータは3大会分しかない(真央選手は全日本もあるので、4大会分)ので、この計算はあまり説得力がない。なので、2008-09だけでなく、2007-08シーズンと2006-07シーズンのデータも集計してみた。真央選手は15大会分、ヨナ選手は11大会分である。

これによると、FS/SPは、真央選手は平均1.92(SD 0.23)で、ヨナ選手は平均1.90(SD 0.18)である。真央選手の方が大会毎のバラつきが大きいが、平均では二人ともSPの1.9倍がFSの得点という傾向が出ている。二人とも、2006年から2008年の3シーズンを通してよりも、2008年単年の方がFS/SPの値が小さいので、今年の値(真央1.88、キム1.87)を使うのが妥当だと思われる。もっとも、本当にヨナ選手が総合200点越えを果たすとは...にわかには信じられないが。でも、3シーズン通しての、FS平均-2σが106.23点なので、アクシデントがない限りは、180点越えは9割がた考えられる。

(2月7日午前中に追記)

先ほども記した通り、真央選手の予想の幅が、FS(総合)で105点(163.3点)~112.1点(170.0点)なので、ヨナ選手とは総合得点で、少なくとも10点は離されると予測するのが妥当と思われる。

ただ、気になる数字がないわけではない。相関係数の計算ができないので、逆相関の有無は調べられないのだが、ヨナ選手について、各年度のFS/SPの平均を出し、それを下回った大会を調べたところ、次のようになった。これらの大会では、SPが良くてもFSで伸び悩んだと思われる。

2006-07年 カナダ、世界選手権(東京)

2007-08年 GPF、世界選手権(ヨーテボリ)

2008年    USA、GPF

この6大会のうち、4大会が真央選手との直接対決である。真央選手との直接対決のうち、FS/SPが単年の平均を上回ったのは、2006-07シーズンのGPF(サンクトペテルブルク)だけである。ここから言えることは、次の二つである。

1.全大会を通しても、総合得点におけるSPとFSの割合は真央選手もヨナ選手も同じであるので、SPで出遅れてもFSで逆転できるとは考えにくい。

2.ただし、ヨナ選手は真央選手との直接対決ではFSで得点が伸び悩む傾向がある。

仮に逆相関があると仮定して、FS/SPではなく、2008年の真央選手のFS得点の平均と標準偏差で考えるならば...平均+σで、125.6点までは、今シーズンの採点傾向でも期待できる。そうすると、

ヨナ選手がFSで伸び悩み、FS114点(3シーズンの平均ーσ)では総合得点は186.24点である。

真央選手がFSで頑張って、FS126点を出すと、総合得点は183.86点で、やはりキム選手には届かないが、かなり競り合うかもしれない。

なので、FS/SPの相関が今回、二人とも同じように出るとしたら、順相関(FS/SP)なら、真央選手は170点を越えるかどうかというところであり、ヨナ選手は200点を越えるかもしれない。。。?でも、今までの傾向のように、ヨナ選手が真央選手との直接対決でFSで得点をとれなければ、180点後半をとった選手の勝利になる可能性も考えられる。そのためにも、ヨナ選手が、SPで考えられないくらいの得点をマークしたように、真央選手もFSで、130点を目指す得点が必要になる。

もっとも、私自身は、どうしても真央選手に優勝してほしいわけではない。今回の検討でわかったのは、「過去の直接対決ではFSで挽回して逆転勝利もあったが、3シーズン通してみれば、ヨナ選手もFSで得点を重ねている」ということであった。私には、SPでリードしてもFSで失敗するヨナ選手のイメージがあったのだが、そうでもなさそうである。なぜ、直接対決では真央選手に挽回の機会を残してきたのかはわからないが、仮に今大会でヨナ選手がSPとFSの両方を揃えて真央選手に勝ったとしたら、真央選手もSPの重要性を再認識する必要が出てくるだろう。

もしかしたら、またもやFSでヨナ選手を逆転して、辛くも表彰台に乗ることよりも、SPでの出遅れ対策に取り組むきっかけを得た方が、真央選手にとっては良いのかもしれないと感じる。

最後に、ロシェットだが、2008年のFS/SPは2.08で、3シーズン通しても2.03であり、真央選手やヨナ選手よりも高い。おそらく、SPよりもFSの方が点数を出しやすい選手なのだろう。なので、FSで順位を後退することは考えにくいと思われる。2008年のGPFでも、SP6位をFS3位とし、総合4位にあがっている。

ただ、FS/SPが高いのは、SPが60点を満たない試合が多かったのも関係している。SPが50点台でFSが100点を上回れば、FS/SPは2倍になる計算だ低くてもFSで点数を稼げるタイプの選手と言えるだろう。なので、SPのパーソナルベストを更新した、今回の4大陸選手権でのSP得点 64.74点へ単純に2.08 をかけると、134.7点になってしまう。これは、あまりに実情から外れた値である。これを考えると、FS/SPの過去の傾向を、今大会のSP得点に掛け合わせるだけでは、妥当な予測はできないかもしれない。(ここまで読んで下さったのに、すみません。でも、発見もなかったわけではないです。)

ちょうど、SP,FS,総合の全てでパーソナルベストをマークした2008年のスケートカナダの得点が、SP 64.74  FS 124.15 総合 188.89であった。この大会のFS/SPは、124.15/64.74で、1.92である。この値は、2008年のFS/SPの平均ーσの1.93に近く、SPが高得点であった時のFSを予測するのに適切な値だと思われる。

なので、ロシェット選手は、

FSが124.3点で、総合得点は189.04点と予測される。もう少し低めに予測すれば、3シーズンのデータ(11大会分)の平均値ーσの105.64点をFSの一番低い可能性と考えても良いかもしれない。

そうすると、総合得点は170.38点となる。会心の演技ならば180点台の後半で、優勝の可能性もある。もっとも、キム選手が190点を越えれば届かないが。悪くても、170点はマークして、真央選手と順位を争う可能性もある。

かなり長く、煩雑になったが、まとめると次のようになるかもしれない。可能性がありそうな順に記すと...

可能性1.ヨナ選手が真央選手との直接対決をものともせず、優勝。

  ヨナ選手190点台  ロシェット選手 180点台 真央選手 170点台

可能性2.ヨナ選手に、真央選手との直接対決の傾向が出る

  ヨナ・ロシェット・真央の3選手とも180点台での争い

可能性3.ヨナ選手の圧勝

  ヨナ選手 190点台 ロシェット・真央選手 170点台

SPの出来でFSの得点予測ができないかと思い、エントリーを作成してみたが、FS/SPの値を求めても、SPが突出して良ければ現実的でない予測値となってしまう。何より、SPの出来とFSの調子とが相関するのか、その関係を押さえないと意味がないかもしれない。

それでも、ヨナ選手は真央選手との対決する大会では、FSが崩れる傾向があったことがわかったのは収穫である。あと、FS/SPというひとつのデータだけでなく、なるべく多くの大会得点結果を集め、照らし合わせるのも、有効かもしれないと感じた。

このエントリーで使用した得点のデータは、主に”フィギュアスケート資料室”(リンクはこちら)の「試合結果」というページから参照させていただいた。

2009年1月25日 (日)

欧州選手権女子FS ライブ中継のレポート(第4グループ)

22:26~ 6分間練習。

登場から、会場は大歓声。ポイキオとレピストの二人が最終グループで登場。

23:32 6分間練習終了

(#19 イワナ レイトマエレワ スロバキア) 国内チャンピオン

母がコーチ。ピンクのノーストラップのワンピース。肌色のアンダーウェア着用。髪にも、お団子にピンクの飾りをつけている。首にもピンクのカラー。ヨーロッパのお嬢様という雰囲気。

曲は、ピアノとバイオリンが主のものだが、特にピンクをイメージする曲でもないと思う。合わないことはないが、演技というよりも、本人のイメージに合わせた色のような感じ。

スパイラルのビールマンはワンハンド。レイバック、ビールマンに近いが、足が頭上にはきていない。ドーナッツ、回転はゆっくりだが、頑張ってバランスをとっている。出た後、息があがっている。

FS 82.20SB 130.20 SB

(#20 ジェナ・マコーケル イギリス)

夫のヴァンデル・ペレンが写る。 2A幅がある。 3Lも高い。

衣装は、黒のパンツに金色の螺旋が入る。トリノのマイヤーか誰かが、似たような衣装だったように記憶している。スピンで回ると、螺旋が動くように見える。

「随分上手になりましたね。」(樋口)

風貌が、キャシー・リードに似ているようにも見える。

ストレートラインのエッジの使い方が上手になった。(村主) 何のターンをしているのか、わかるように滑っている。(樋口)

クロアチアのゴールデンスピンで、上手になったと感じたが、今日の方がずっと上手に滑っていた。(樋口)

FS 81.42  トータル 131.42

(#21 カロリーナ コストナー イタリア) 欧州選手権3連覇がかかっている。昨年の世界選手権2位 7年連続、7回目

コスチューム新しく変わっている(村主) 衣装は、白で長袖ワンピース。銀色のスパンコールで体幹の脇から背中に模様。スカートのしたに金色のフレアがある。

ジャンプの前の助走が長い。ランディングが少し乱れがち。3Fがダブルになる。

スパイラル、少し短かった(村主)

最後の2A、ハンドタッチしそうになる。

「音楽との調和、妖精ちっくな、愛らしさが、高得点につながるのでは」(樋口)

FS 114.06 SB トータル 165.42  トップに立つ

本当は、130点台を出したいのだろう。(樋口)

(#22 ライラ レピスト フィンランド) 国内では、一番高いランキングを持つ

黒のノーストラップ。スパンコールで幾何学的な模様。

3T+3Tの予定が、セカンド ダブルになる。 ルッツがシングルに抜ける。

3Rのランディングがハンドタッチしそうになる。

スパイラル短いかも。厳しいコーラーだととらないかも。(樋口)

「ポジションが綺麗。加点がもらえるスピンでは。」(樋口)

演技の最後の方は、歓声で曲が聞こえず。演技後、一部スタオベ。

「NHK杯の時よりも素敵になった。」(樋口)

「前半のミスを忘れさせるような、後半の演技。」(村主)

ジャンプの回転中、脇が開いている。

FS 110.7 トータル 167.32 コストナーを抜き、SPからの1位をキープ。

(#23 スザンナ ポイキオ フィンランド)

会場は、レピストの点数から続いて盛り上がる。

黄色のメタリックなワンピース。両肩のストラップは銀のスパンコール。曲は、ラフマニノフのピアノ協奏曲の2番だと思う。

ルッツとフリップがダブルになる。2Aは高い。

「指先までしっかり伸びているので、スケーティングが綺麗に見える」(村主)

「フィンランドの選手達はスケーティングが綺麗。水がきれいだからと、僕達は言っている」(樋口)

大歓声で演技を終える。国内第一人者の貫禄の演技という感じ。日本で言えば、村主(姉)選手のポジションか。

「ルッツは引き上げが足りなくてダブルになった。」(樋口)

観客、手拍子で、得点を催促。

FS 100.25 SB  トータル 156.31 第3位に立つ。2位はコストナー。

(#24 カタリーナ ゲルボルト ロシア)

コーチはミーシン。鼻孔を広げるためのテープを鼻梁に貼っている。

カルメンだが、安藤選手のと同じ導入。その後、ビットの導入の部分と同じになる。NHK杯では、ビットと同じところから始まったと思うが...。6分間練習中に、ビットにちなんで母親がカタリーナと名づけたと紹介されていた。NHK杯でも、この選手の演技後に、30周年記念で招待されていたビットが、伊藤みどりさんと一緒にモニターに映されていた。

衣装は、白のノースリーブ。黒の大きなスポットが全体にあり、牛をほうふつとする。闘牛のイメージでもないと思うが。腰の帯と髪飾りの赤がアクセント。

アップの時に見ると、鼻からカテーテルが出て、それを鼻梁で留めているように見える。小林さんが、蓄膿のような症状があると言われていたので、排膿の治療の最中かもしれない。それで試合というと、大変だったのではないだろうか?

FS 88.43SB トータル 137.05 6位。

順位が出ると、観客から歓声があがる。

フィンランド勢、1位 レピスト 3位 ポイキオ 5位 コルピ

「コルピ選手、中断があったが、よく立て直した」(小林)

試合終了 ~0:25                

地元選手の活躍で、盛り上がった試合になったと感じた。

0:29~ 表彰式  ファンファーレは、ISUのものだと思う。日本の大会でもよく聴くもの。照明は、青。

なんと、リンクサイドで炎が焚かれている。結構派手に燃えている。表彰台も赤で、バックに炎をイメージしたと思われる、オブジェが飾られている。

レピスト、スタンディングオベーションで迎えられる。3位のポイキオになるとリンクの照明が赤くなっている。台にあがると、再び青の照明になる。かなり凝った表彰式。

0:35~フィンランド国家斉唱。フィンランド国旗が二つ掲揚される。もう一つは、イタリア国家。厳かな曲調の歌。さすがに、北欧の国。

「フィギュアスケートの大会で流れることのなかったフィンランド国家が流れました。」(小林)

コストナー、スピン一つ、カウントされなかった。レピストとの点差は2点なかったので、この差ではなかったか。(小林)

コンビネーション、二つ目がカウントされなかった。(小林)←これが、誰の話かはわからず。

0:38 ビクトリーラン 選手にプレゼントを渡す人はいない。

     照明が明るくなってわかったが、リンクサイドで焚かれていた炎も、吹流しに下から上へ風を流しているオブジェに、照明をあてていたもののよう。さすがに、本物の火は、会場内では使わないだろう。

「(レピストのプログラム)素敵なプログラム」(小林)

「コストナーのプログラムも素敵だった。」(樋口)

~0:41 中継終了

        

                                  以上。

※ 試みとして、ライブのレポ打ち込みを同時にやりましたが、モニターを観ながらだと、ジャンプの見逃しが多いです。でも、これは、録画中継で見直せばいいかなと思います。解説で、技術的なポイントを沢山語って下さったので、それを記録に残せたのは、大きな勉強になると思います。

 点数や、衣装など、急いで入力したので間違いがあるかもしれません。点数は、ISUのサイトや、他の方々のレポートや速報を参照していただけたらと思います。

 少しでも、ライブ感のあるレポートとして読んでいただけたら嬉しいです。

 明日も、昼間に全米選手権、女子FSのライブがあるのですが、練習の予定なので、録画を観たいと思います。

2009年1月24日 (土)

欧州選手権女子FS ライブ中継のレポート(第3グループ)

22:32~ 第3グループ6分間練習開始

フィンランドのコルピ登場で、会場が沸く。フィンランド国旗もはためく。実は、第一、第二グループの時にも、選手の演技中に旗がひらひらしていて、ちょっと気になっていた。

「ドイツのディートルトは、コストナーと同じコーチに変わった」(小林)

樋口さん、多分、飴をなめながらの解説?咳止めか?

コルピの紹介ビデオ(番組製作)のBGM、マキシムの”ジプシー・メイド”。作曲は、ヴェルディだったと思う。

背部のストレッチ中のコストナーが映る。ISUのチンクワンタが会場で紹介される。

22:40 競技開始

(#13 アネッテ ディートルト ドイツ) 25歳 国内チャンピオン

サンサーンスの白鳥。衣装も白。スカートが灰色がかっている。

「よく滑る、美しいスケーターの一人」(樋口氏)

トリプル決まっているが、エッジで降りている。樋口氏、飴をしゃぶる音が聞こえる。

2A+3T スパイラル中、ワンハンドでキャッチフット、もう一つの手で羽ばたきを表現。

サーキュラー、フリーレッグと両腕の表現が豊か。表情も笑顔。演技後、会心の表情。

「グランプリシリーズ、4回転倒というのがあったが、今回はすごく良かった。」(村主)

「随分、髪を短くした」(小林)

FS92.92SB トータル 136.98 SB

(#14 アレナ レオノア ロシア) 18歳 国内5位 初出場。

1位、2位が年齢満たないので、国内代表になる。衣装は黒で、銀色の飾りが前面につく。

3F+2Tきれいに降りる。 3L高い。「eか!つくと思う」(樋口)

「高さないが、回転速度が速く、キレがある」(村主)

「軸を出すのが上手」(樋口)

スパイラルのポジションで、柔軟性がないこと、樋口氏指摘。

3S+2T+2R 「よくコントロールされたジャンプですね」(樋口)

3T→2Aの2Aでオーバーターン。本人苦笑い。場内から大きな手拍子。曲は、聴いたことがあるのだが、題名知らず。ラテンっぽい、クラシカルな雰囲気の曲。演技後、ガッツポーズ。感極まり、涙。

FS 98.91SB  トータル143.99  セヴェスチャン抜き、トップに立つ。

(#15 キーラ コルピ フィンランド) 20歳

大歓声で迎えられる。序盤、時計回りのバッククロス中に転倒。フェンスにぶつかる。腰を強打し、動けず、曲中断。立ち上がり、笑顔を見せる。コーチのところに行き、再開。

「クロス中にエッジが重なったのではないか」(樋口)

再開後は、会場から手拍子。ルッツは抜ける。3S+2T,3Rはきまる。

曲は、オーケストラで、プリミティブな感じ。現代曲風(野獣派の雰囲気みたい)。スローパートはモダンっぽい。衣装も、黒に銀のスパンコールで、現代の都会風。最後のコンビネーションスピンで、顔を上気させている。

演技終了後、フィンランドの旗がたくさんはためく。

FS 91.41(減点3) ト-タル 139.01

(#16 イリーナ モフチャン ウクライナ) 18歳 国内初優勝

ブロンドのポニーテールが、顔の前にかかりそう。上下黒で、下はパンツ。上は、タンクトップ(?)。胴の部分はシースルー。

ジャンプの抜けが多い。スピン、スパイラルでポジションが雑。曲は、キダム。演技途中から、顔が真っ赤になる。「後半に、スケーティングが滑らなくなる。」(村主) 「もう少しスケーティングが良くならないと、4分間滑るのは苦しいかもしれない」(樋口)

「アクセルで、フリーレッグが横から出ると抜けてしまう。」(樋口)

FS 65.04 トータル 111.52

キス&クラのデザインは、毎日変わるらしい。(小林)

(#17 ネラ シマオバ チェコ)20歳

衣装は、ややくすんだ緑。背中と胸にパープルのスパンコールでの飾り。

クロスが小さく、伸びがない。シットは、バックエントランスから。

Y字でBI→BOのスパイラル。「チェンジが難しいですよね」(樋口)。

ジャンプは、ダブル中心だが、スピンが得意な選手のよう。

「ジャンプ以外のものは、丁寧にやっていた。」(村主)

「もう少しレベルの低い大会では、よくみかける選手」(樋口)

「(フォアアウトの支持あり)このスパイラルは素晴らしかった」(小林)

トータル 120.61

(#18 ツブバ カラデミル トルコ) 毎回出場で、8回目。

SPでは、フリップでeつく(小林)

フリップ転倒 「これはやっぱり、eマークついてもおかしくない」(樋口)

トゥを突く位置が近すぎるように見えた。

長身で細身。演技に表情(顔でなく、表現での)がついている。雰囲気が、武田選手に似ているような...。

練習環境を求めてカナダに移ってきた(小林)

FS 84.59  トータル 130.85

第3グループ終了 ~23:25

欧州選手権女子FS ライブ中継のレポート(オンラインリザルトについて)

中途ですが、一度アップします。

22:20 現在整氷中。 

    第3グループ開始は、22:32(現地 15:32)予定(番組テロップより)

    番組は、女子選手の録画を流している。おそらく、SPだと思う。FS#1のスェーデンの選手のよう。#8のフランスのディディエのSPも流れる。曲は、ピンクフロイド?

 フィンランドは、フィギュアはあまり人気なく、アイスホッケーやスキージャンプ、モータースポーツが盛ん。

オンラインリザルトは、ISUのサイトにあります。

http://www.isuresults.com/results/ec2009/SEG004.HTM

です。もしも、気になる方がいらっしゃったら、ご覧下さい。

次のアップは、第3グループ終了後になると思います。

欧州選手権女子FS ライブ中継のレポート(グループ2)

21:20頃 第二グループ 6分間練習

セヴェスチャンもスパイラルレベル1だった。(小林) チェンジエッジの時にワンカウントしてしまい、後が2カウントになっているのでは?(樋口) 

イタリア、マルケイが欠場。「コストナーが頑張るので、枠が複数あり、若手に機会がある」(村主)

(#7 ユリア・セヴェスチャン ハンガリー) 2004年欧州チャンピオン 98年から世界選手権出場。

シアンが入ったような緑。両腕に筒のようなものをつけている(貴婦人風?)。宮本亜由美選手が以前、同じような腕の衣装を着けていた記憶がある。音楽は、チェロ?のソロ+ストリングス。映画音楽風?

3L+2T+2R 高い。 3F回転不足(樋口)で転倒。 3L信じられないくらい高い。

FS 91.15  トータル134.47SB

(#8 キャンディス ディディエ フランス) 21歳 2年ぶり 3回目の出場 前回21位

フランス国内で5年ぶりにチャンピオン。ラヴェンダー色のの袖のあるワンピース。曲はトッカータとフーガのポピュラー調。

「高くはないが、回るピッチ速い」 「ルッツeマーク付くかも」(樋口)

細身、シズニーみたいな感じ。ステップに流れがない。同じ指摘を村主氏も言う。

「反対回りも入れてます(スピン)」(村主)。 トリプルジャンプを多く降りる。

「これだけ跳べるフランスの女子選手は久しぶり」(樋口)

「グランプリシリーズのフランス大会でも頑張っていた」(村主)

キス&クラでも、息が荒い。

FS 81.23  トータル 124.07

(#9 ステファニア ベルゾン イタリア) 18歳 2年連続  国内3位

今シーズンはジュニアと掛け持ち。アイスダンス出身。(小林) ピンクのワンピース、半袖。演技始めの踊りが細やかで、表現豊か。バレエジャンプから3T+2T

ドーナッツからキャッチフット(ビールマン風)。樋口氏、「なんというのでしょう?」と表現に困っている、ユニークなポジション。キャッチフット風のビールマンスピン(ワンハンドで、もう一方の手が腿を持つ)が回転速い。2Aに苦労している。

「ダンス出身ということで、姿勢美しくて、とても良い」(村主)

FS 77.03  トータル118.97 「2A入らなかったのが...」(村主)

 

(#10 フランチェスカ リオ イタリア) 18歳 初出場 国内第二位 #9の選手と同じコーチ

水色のノースリーブのワンピース。両肩ストラップ。

黒髪だが、マイズナーに似た雰囲気。

「この選手は、5種類のジャンプを用意しているのでは」(樋口)

ジャンプはまとまらず。曲は、ピアノとストリングスの静かなもの。エチュード風?表情が涼しげ。

「イタリアも強くなってきましたね」(樋口) サーキュラー、しっかりエッジに乗っていた。(村主)

FS 77.37SB  トータル 119.61

(#11 エレナ・グレボワ エストニア) 2年ぶり 4回目 昨年は膝の怪我で欠場。

SPで3T+3Tを跳んだが、回転不足をとられた。(小林) 

曲は、カルミナ・ブラーナ 黒のワンピースで、スカート部分はシースルー。下に緑のスカートを重ねている。髪もまとめてあり、シックな雰囲気。

「3秒までの間が短い感じがします」(樋口)

「3S 左肩が先に回ろうとして、軸が右の外に行ってしまった」(樋口) 3S転倒。

'07年の東京ワールドで、ボヘミアンラプソディーを演じた選手だと記憶している。

姉はペアスケーター(小林)

FS  84.68  トータル 128.36

(#12 テオドラ ポスティッチ  スロベニア) 22歳 2年連続 4回目 過去は30位代

青のワンピース。ジャンパースカートみたいな形。腰の周りに赤い飾り。靴がベージュで、ブレードが金色。

2T+2Tのセカンドで腕を挙げる。加点要素と樋口氏。

「右肩が下がって回りきれなかった。」トゥループでパンク。

スパイラルは、挙げてからジャッジはカウントする。挙げている間をカウントしてはいけない。(樋口) プログラムにトランジッションがない(樋口)

「疲れているのが見えると、(PCSの)パフォーマンスが低くとられてしまう」(樋口)

FS 71.64 トータル114.95

~22:15 グループ2終了

Jスポーツのスケート番組のアイキャッチが格好良い

次は、第3グループが終了したらアップします。

欧州選手権女子FS ライブ中継のレポート(グループ1)

20:05からJスポーツでライブ中継されている、欧州選手権女子FSを観ています。翌1時までの予定ですが、随時レポートを入れていけたらと思います。頻繁なリロードは避けた方が良いと思いますので、リアルタイムではなく、整氷時間などを利用してアップしていきます。

実況は小林千鶴さん、解説は樋口豊氏と村主千香さん。三者とも、スタジオからの放送だと思います。放送中のこぼれ話や、思わぬ選手の発見などがあるといいなと思います。睡魔と闘いながら観ていきます。敬称は略させて下さい。

20:05~

<SPのおさらい>

レベルがとれていない。(小林)

スパイラルでレピスト、ポイキオ、コストナーがレベル1だった(小林)

ジャッジの顔ぶれからは、それほど厳しい人たちとは思えないが...。(樋口)

コストナー、場内の赤ちゃんの声が聞こえて演技が乱れたが、言い訳にならないと本人も言っていた。(小林)

ポイキオ、姉がコーチ。スパイラルとコンビネーションスピンレベル1。(小林)

スタジオでの説明中のBGMは仮面舞踏会、先ほどはチャルダッシュも流れていました。

<会場より>

フィンランド ヘルシンキのハルトバルアリーナ。すり鉢状で四方にスタンド席。大きさは代々木くらいで、雰囲気は長野のビッグハットのような感じ。席は青で、クッションがある感じ。

ゲデバネシヴィリ、25位でショート落ち。ステップでの転倒が残念だった。(小林、村主)

フィンランド、直行便で9時間半。日本に一番近い欧州と観光局は言っている。(小林)

(審判団紹介)

テクニカルスペシャリスト、黒髪にワンレッドのメッシュが入っている、スタイリッシュな雰囲気。「この方です」と樋口氏。アシスタント・テクニカルスペシャリストは、東ドイツの元世界チェンピオン。(樋口)

20:30~ 第一グループ6分間練習(現地時間 24日13:30 日本と時差はー7時間) 

第一グループでは、初出場二人(小林)

<第一グループ>

(#1 ビクトリア・ヘルゲソン スェーデン)

20歳、国内三連覇。ロシェットに似たタイプ。ジャンプ高く、回転速い。ジャンプは全盛期のセヴェスチャン的? 軸がきれい。衣装は蛍光ピンク。荒川さんのユーレイズのような形。

スパイラル(時間不足ー樋口)や表現は、荒削り。3Tで転倒だが、笑顔。妹もスケーターで母がコーチ。

(#2 ジュスナー オランダ)16歳。初出場。

先生はハンガリー人。ブルーのジゼル風の衣装。髪のお団子の周りに金のリボン。リップ2回転でパンク。音楽はオペラ座。足の踏み出しが荒い。ノービスの子の様な滑り。3R2回転倒。3S成功で、観客から歓声(ちょっと回転不足でしょう。でも、彼女としては頑張ったのでしょう。-樋口)。レイバック綺麗。サイドレイズからヘアカット。

トータル 103.28

(#3 ソニア~? スペイン)

水色ワンピース。胸に大きなV字の切れ込み。もちろん、アンダーウェア着用。黒髪を後ろで束ねて、ワーグナー風。3Fで転倒、痛そう。音楽は、ガーシュイン、ラプソディーinブルーだと思う。ストレートラインのポーズ綺麗。樋口氏からはターンが跳んだり、入り口と出口のアンバランスなど、評価が厳しい。

ジュニアのグランプリシリーズでは、一桁の成績を残している。(小林)

fs61.26 トータル101.70

(#4 ケルスピン フランク オーストリア) 20歳 初出場。

国内、シニア2位。チャンピオンはシニアの年齢に達していないので出場。

2Aとても高い。青のメタリックのノースリーブのワンピース。続くジャンプは、ダブルが多い。「アウトサイドでのアップライトスピンは難しい」(村主)。ジャッジ前で3S+1T ステップアウト、苦笑い。

「走って跳ぶで、つなぎがない。構成に問題」(樋口)

「ストレートライン、エッジに乗ってない。」(村主、樋口) バランスはよくとれていたように思えたのだが...。このあたりの解説、とても勉強になる。

演技後、舌を出している。「スケート、続けて上に行くのは難しい。過酷な競技」(小林)

FS 65.29  トータル104.92

(#5 イザベル・キーマン   ベルギー)25歳

シンクロナイズドスケーティングもやっている。オレンジ。ワンショルダーのワンピース。ボールルームダンス風のストールがなびいている。スカートは淡いオレンジ。演技中、邪魔にならないだろうか?サルコウ2回転。彫りが深く、やや褐色でインド系の雰囲気もある?長身で脚が長い。3Tは降りる。「チェンジエッジ(スピンの)が中途半端」(樋口)。

音楽は、大陸風の紀行番組のBGMのような感じ。

トータル96.54

(#6 キャリー・ロバートソン イギリス) 19歳スコットランド生まれ。国際舞台は初めて。

コールされると、会場から歓声。イギリス応援団? 音楽は、ムードミュージック風。ワインレッドのノースリーブに、白のスパンコールがちりばめている。

2A 3S「入り方、工夫されていて綺麗」(村主) 3T と降りる。ストレートライン、ターンが入っていないように見える。2Lでフェンスにぶつかる。「ああいうのは減点になりますので、避けたいです。」(樋口)

後半は、ダブルジャンプが続く。疲労がみられる。レイバック→ヘアカット→ビールマン「にはならないと思います」(樋口)。「荒っぽさが目立っていた」(村主)

樋口氏、ムセ込んでいる。

FS 64.08 トータル 104.44

※ 次は、グループ2が終了後にアップします。グループ2には、ユリア・セヴェスチェン(ハンガリー)がいます。「こんなところで滑っちゃいけない選手です」(樋口)

2009年1月18日 (日)

'08年全日本道中記(その2)

道中記のその1はこちらです。

<12月26日(大会2日目)の続きです>

今から振り返っても、予定よりも出発が一時間遅れ、更に長野への列車の到着も30分も遅れたのに、なぜ、女子SPの第2グループから見られたのか、不思議に思っています。13時から始まったアイスダンス競技とシンクロ競技で、私の予想以上に時間が必用だったのかもしれません。いづれにしても、村主選手や浅田舞選手の演技も観られて良かったと思います。

競技会そのものの報告や感想は、既にエントリーにあげてありますので、そちらをご覧下さい。大会2日目のものとしては...全日本観戦期('08.12.26.金)というエントリーがあります。

会場に15時前に着き、男子FSが終わったのが22時30分くらいでしたので、7時間以上スケート会場に居たことになります。正直、女子SPが終わって男子FSが始まるのを待つ時には、「まだ半分かぁ...」と思ってしまいました。”一粒で二度美味しい”というチョコレートCMのコピーがありましたが、この日は、1度に2日分の競技を観たというハードさでした。

会場を出た時には、とてもバスで移動する元気もなく、ホテルの場所も知らなかったので、タクシーの順番を待って、ホテルに連れていってもらいました。チェックインを済まし、部屋でホっと一息をついた後は、まだ寝ずにパソコンを出し、ブログの書き込みを始めました。そうして緊張がほぐれてきたら、むしょうにお腹が空いてきました。会場では、売店でポタポタ焼きという、お餅に醤油をつけた食べ物が美味しかったのですが、それくらいしか食べていませんでした。同じところで買った”トッポ”は未開封のままでしたので、それを食べ始めましたが、焼け石に水で、結局ホテルの外へコンビニを探しに行きました。ところが、全然見つからず、軽装のままだったので寒さに凍え始め、仕方がないので、ホテル地下のバーに飛び込みました。そこで、パスタを出してもらい、カンパリソーダを一杯だけ飲みました。たまたま、同じカウンターに居た人も、全日本観戦で来ていたということで、ちょっと試合の感想や翌日の予想などを話しましたが、どうにも、私はバーに慣れていないので、皿とコップが空いたところで失礼しました。料金は\2,500。深夜の酒場的に妥当な額なのかはわかりませんが、これだけの金額なら、もっと腹いっぱい食べたかったと思いました。

その後は部屋に帰って気が付いたら寝てました。翌朝までぐっすりです。

<12月27日(大会3日目)>

Sany0047

朝、7時に目が覚めました。ホテルの13階に泊まったと思いますが、窓からの景色がきれいでした。

ネットで当日券販売の情報を確認し、それからランニングに出ました。せっかくの遠征なので、カメラも持参しました。長野市は、門前町なだけあり、風情のあるお寺を沢山みかけました。ホテルのすぐ側にも、写真のような建物があります。

Sany0037

Sany0042かと思えば、県庁所在地なだけあり、写真のようなモダンな建物もありました。多分、ショッピングセンターだと思いますが。

 

Sany0045

街中では、注連飾りの露天が出てました。ちょっと前まではクリスマスだったのに、全日本の頃はもう年の瀬でした。

ほとんど、市内散策を兼ねたランニングとなりました。

ホテルに戻って、レストランのバイキングに行きましたが、昨夜のバーで話をした方もいらして、一緒に朝食を摂りました。一人で遠征しても、お話する人と現地で出会えるのが不思議です。小塚選手のFSが素晴らしかったというので、意見が一致しました。

その後、部屋で昨晩からの報告の続きを打ち込み、10時過ぎに会場へ向かいました。当日券の発売は12時くらいからの予定ですので、多分大丈夫だろうとの目論見です。この後の状況については、こちらに報告がありますので、もしよかったら読んでください。

Sany0050

当日券を待っている間に、ビッグハットに映った山並みがきれいだったので、撮ってみました。発売時間までの間は、昨日ばったり再開した、'07東京ワールドで知り合った方や地元の方々と色々なお話をしていました。

そうこうしているうちに、残り1枚となったA席を獲ることができ、大会3日目もなんとか観戦できました。テレビ観戦を考えていた当初のことを思えば、本当に、夢のような2日間でした。会場で、東京のスケート仲間の方と連絡をとり、試合終了後に食事に行く約束になりました。

Sany0061 夜のビッグハットです。試合後の会場は、本当に美しいです。この日は、バスで長野駅まで戻りました。

そして、長野駅の前の交差点で、鈴木明子選手と行き会いました。「おめでとうございます」と言えて、とても嬉しかったです。

'08年は、4月の名古屋フェスティバルでの明子選手のタイタニックで始まり、12月の全日本での「黒い瞳」で締めた一年となりました。もちろん、”リベルタンゴ”も忘れられません。生では、DOIとTHE ICEで観ることができました。今まで、豊橋や邦和のリンクでお会いして、「頑張って下さい」と言う機会もありましたが、もう、大きな世界へと行ってしまうのかな...と思います。真央選手や安藤選手もそうでしたが、街のリンクから世界へと、活躍の場を移されると思いますし、その方が嬉しいと感じます。

東京のスケート仲間の方と居酒屋に行き、私はウーロン茶でしたが、ほぼ無理やりに真央選手の3連覇の祝杯をあげさせてもらいました(ありがとうございます)。話に夢中になり、何を食べたのか、あまり覚えてないです。鯨の刺身があったような...気もします。

あとはホテルの部屋に戻り、死んだように眠りました。

<12月28日 帰る日>

雪の朝でした。こちらに記しましたが、朝起きて、ランニングがてらビッグハットに行きました。戻りは、色々な風景を撮りました。雪の長野は本当に風情があります。とても良い思い出になりました。ホテルの近くに、地元の麹屋があり、両親のお土産に甘酒を買いました。とても喜んでもらえました。

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長野は味噌の産地でもあるのですね。                                                   

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枝の写真は、信州大学のキャンパスにある木のものです。

MOIの日ですが、名古屋のスポーツランド邦和で約束(靴 がないので滑走はしませんでした)があったので、お昼の特急しなのに乗りました。長野駅で列車を待つ間に、おやきを購入しました。タクシーの運転手さんに勧められたのですが、色々なお惣菜の入った肉まんという感じで、とても美味しかったです。

15時には金山からリンクへと着きました。リンクには、鈴木明子選手の全日本4位、四大陸選手権代表の速報がありましたが、撮影したはずの写真のファイルを無くしてしまいました。すみません。

用事を済ませた後、リンク玄関正面の明子選手(写真)に「おめでとうございます」ともう一度言って、家に向かいました。

選手と関係者の皆様、本当にありがとうございました。

2009年1月13日 (火)

名古屋フィギュアスケートフェスティバル報告

2009年1月8日(木)に日本ガイシアリーナで開催された、名古屋フィギュアスケートフェスティバルに行ってきました。平日の夕方ということで、仕事終わりに直行したのですが、後半からの鑑賞となりました。中学2年生ながらも全日本選手権で見事7位になった村上佳菜子選手の凱旋アイスショーという意味合いも、自分の中ではあったので、彼女の演技が観られなかったのが残念です。

会場で無料でパンフレットが配られます。このフェスティバルに行くのは3回目ですが、いつもそうだったような気がします。選手の写真と簡単なプロフィールだけですが、ページを見ていくと...

1ページ目 真央  2ページ目 安藤 3ページ目 中野 4ページ目 小塚

と、ここまでは一人1ページで占めています。

5ページ目 織田、中庭、南里

6ページ目 明子、水津

7ページ目 無良、小林、羽生

8ページ目 地元選手(佳菜子、愛音、佐藤未生、渡辺真央、納村彩花、宇野昌麻)

となっていました。全日本チャンプが1/3ページというのもなんだかなぁ...と思います。写真の衣装はしっかり仮面舞踏会なのに...名古屋出身じゃないからか?

地元選手は、愛音選手と納村(おさむら)選手は名東フィギュアスケーティングクラブで、その他の選手達はグランプリ東海クラブです。村上佳菜子選手と同級生の松原彩華選手(昨年は島唄の演技でした)の顔が見られないのが寂しいですが、全日本ジュニアの時も怪我との話を聞いたことがあります。来シーズンに向けて、快方を祈ります。

先に会場入りしていた知人より、村上佳菜子選手は、"baby face"だったと教えてもらいました。宇野選手が2A降りれたかと尋ねると、「えぇ、多分、降りたんじゃないの」とのことでした。中村愛音選手が一番安定した演技だったとも教えてくれました。

私も、後半からはしっかり観ました。パンフレットとは別に出演順の紙も入り口で配布されたので、それに従って報告します。

水津瑠美選手(ナディア)

 のっけから私事ですが、フィギュアにはまるきっかけになったのが、この会場(当時はレインボーと呼ばれていました)で行われた2005年3月の中日カップで、真央(もちろん浅田)選手の3Aを生で観たことでした。導入されたばかりの新採点システムで200点越えをして優勝というので、ちょっと話題になりました。その時に準優勝したのが、水津選手でした。同級生どうしなので、中学2年生(今の佳菜子選手と同じ学年)だったと思います。そのころは、”すいづ”というのが読めなくて、みずつ(?)と思っていたのを思い出します。

ちなみに、中村愛音選手も仙台からその大会に参加していて、ジュニア選手権クラスで優勝していました。でも、飛行機の時間に間に合わないということで、2位の同じクラブの子と共に表彰式は欠席しました。で、過去の成績を日本スケート連盟のサイトで調べてびっくり...2位だったのが、鈴木真梨選手だったのです。愛音選手はすぐに全国区になったので覚えていたのですが、鈴木選手は今のいままで忘れていました。ちなみに、3位が佳菜子選手です。2008年末にはシニアの全日本にまで波及した、ジュニア勢の熾烈な争いは、この時からもうあったのですね。もしや、と思って探したのですが、羽生選手の名前はなかったです。

 話がかなりずれましたが、水津選手とレインボー(現ガイシ)というと、懐かしく思い出します。ただ、この日の水津さんは精彩を欠いており、スパイラルで転倒、ジャンプでも2フットでした。演技後、リンクの外では息がかなり荒かったので、コンディションが良くなかったのかもしれません。ナディア、彼女にすごくあったプログラムだと思いますので、クリーンな演技を、もう一度観たいです。

 羽生結弦選手

 全日本ジュニアまでは、どうしても”ハブ”と読んでしまった名前(私は、羽生善治名人のファンでもあります)ですが、今は”ユヅル”と名前も読めるようになりました。もう、堂々とした演技で、冒頭の非常に深いハイドロプレーンから観客を呑んでいます。3Lも跳んだと思いますが、安定したジャンプに、両腕を脚で巻きつけてのキャノンボールも圧巻でした。本当に、末恐ろしいジュニアが出てきたと思います。昨年のDOIの前からネットで話題になっていましたが、有望新人を見つけるネットの眼もすごいと思います。

 小林宏一選手

 ハウスとかヒップホップとかは全然聞かないのですが、そっち系の曲かなと思いました。ちょっと前ならテクノ系とか...。ダンサブルなナンバーなら無敵です。上半身の胸や肩をビシバシ動かすアイソレーションがすごかったし、グルーブ感もたっぷりでした。全日本では、思いっきりの良いジャンプ(と転倒)で、私の周囲の方々を圧倒していましたが、エキシではきっちりまとめてきます。クリーンな着氷とはいえませんでしたが、ホットに踊って終わりました。

 演技の終わりに、多分愛知県連の久野先生だと思うのですが、一口紹介のようなコメントが入ります。小林選手の時には、「1月8日の予定を尋ねたら空いてないとの返事だったが、エキシだと説明したら来てくれることになった。」とのことでした。

 中庭健介選手(You're so beautiful)

 しっとりした雰囲気の曲がとても似合う選手だと思います。クロスストロークで脚がきちんと伸びていて、清楚な感じの滑りですし。ジャンプも安定していて、安心して楽しめる演技でした。ショーに出演するスケーターとしても、一流のものを持っているのではないでしょうか?

鈴木明子(リベルタンゴ)

 もう、すっかり評判になった、明子さんのリベルタンゴ。昨年度の名古屋フェスティバルでは、ショールを大切そうに纏ったタイタニックでしたが、今ではタンゴが代名詞になったようです。最初の3ルッツも勢いのある助走から綺麗に降りていました。すっかり、ジャンプにも自信を持ったのかなと感じます。上半身を歌うように震わせながら、エッジに乗ったスケーティングが印象的です。ストレートラインも、もう十八番の花道を歩むような輝きを感じます。 手放しで褒めてるな...>自分...。

 演技後の拍手に間髪入れずに、「これだけ拍手があるので...」とアンコールを選手に要求。それに応じて、FP”黒い瞳”のストレートラインを披露しましたが、足にきていたのか、途中でつまづいて転んでしまいました。それでも、フィニッシュに行った時には拍手喝采でした。来年は、是非パンフレット1ページを明子さんのために割いてほしいものです。

南里康晴(津軽海峡冬景色)

 「福岡と言えば、明太子」と、所属をアナウンサーもアピールしていました。なのに、青森の唄なのですね...。月光の調べをうつむきながら聴いている南里選手を見ると、「ひろしです...」と自虐ネタで一発当てた芸人さんを思い浮かべてしまいます。でも、この日はとても調子が良かったみたいです。多分...3A降りたと思います。私からは死角になるところで跳んでいたのでよく見えなかったのですが...非常にクリーンなジャンプでした。

 あと、”風の音が胸をゆする泣けとばかりに”などのサビの部分でマイムを入れていて、近くの席の方々にウケていました。アンコールは、曲なしで3F+3Tでした。ファーストジャンプでハンドタッチしたと記憶しています。

中野友加里(SAYURI)

 傘を持って、紫色のワンピースで登場しました。表情も明るかったです。たたんである傘を見て、新作のエキシ? シェルブールの雨傘かそんな感じの? と思った私でした。アナウンスがSAYURIと言ったところで、その傘は洋傘ではないことにやっと気づき、イントロが始まれば、下駄を鳴らしながら雨中を進むSAYURIの世界でした。

 このプログラム、最初のトゥステップで雰囲気を造り上げていると思います。2007年長野のジャパンスーパーチャレンジでのSAYURIで気が付いたのですが、このエキシだけは照明のあるリンクの方が映えると思います。というのも、中央にポツンと置かれた傘と、滑り続ける中野選手という、静と動とのコントラストが見事なのです。双方とも紫色で、傘と並んでスピンをする後半は、身を挺して雨露をしのぐ女性の生き様を表現しているようで、趣があります。DOIなど、ピンスポット中心の照明では、このあたりがなかなかわからないようです。置かれた傘にも照明を当て続ければ良いのかもしれませんが...。

本日は、競技会と同じような照明でしたので、傘を意識して演技が観れてとても良かったです。

 アンコールは、傘なしバージョンのSAYURIを、後半のストレートラインから披露しました。ステップの中盤からスピンコンビネーションに入ったので、SPと同じ構成なのかは自身がないです。フィニッシュは、両手を重ねて扇子を開く仕草のポーズでした。

ジャンプも安定していて、元気を取り戻した様子でした。

安藤美姫(ボレロ 男声ソプラノ?のヴォーカルバージョン)

 とても評判の良いプログラムです。私は、実は...それほど...なのですが、これは好みであって安藤選手の演技に問題があるのではないと考えています。演技に律動感があまりないタイプの選手だと気づきました。縦ノリのリズムが感じにくいのです。だからボレロを踊っても、躍動感よりもなめらかな印象を強く受けます。

 でも、それが安藤美姫の演技であり、持ち味だと思うのです。下手をすると印象が散漫になりがちですが、ツボにはまると心に滲みてくる名演を期待できる選手かもしれません。

 ジャンプは2Aと3Sを跳びました。途中できれいなシャーロットポジションでのバックスパイラルがありましたが、そこから3Tは跳びませんでした。

 アンコールは、FPのサンサーンス3番のストレートラインからでした。そろそろ...と期待していたのですが、やはり、音楽にピタっとはまった動きでした。上半身もやみくもに動かすのではなく、きちんとタメをつくって曲想に合わせて演じていました。知人とも話したのですが、全日本後にかなり滑り込んだのではないかと想像します。滑り込んだというよりも、音楽を何回も聴いてくれたのではないかなとも、思う、素晴らしいストレートラインでした。

 世界選手権に、是非ピークを持ってきて、素晴らしい演技を期待したいです。

 小塚崇彦(ラストダンスは私に)

 なんど観ても素晴らしい演技です。もう、とにかくステップの刻みまくり! なのに氷を削る音が聞こえないのだから、エッジ使いの魔術師としか言いようのない技術とセンスです。2S+反回転2Sのコンビネーション、成功したように見えたのですが...自信ないです。

 アンコールは、テイク5です。縦横無尽に氷と遊んでいました。競技会のSPと同じ構成なのか自信がないのですが、ステップ魅せまくりという感じのアンコールです。

 織田信成(仮面舞踏会)

 衣装もSPのものです。おそらく、モロゾフ監修で、ロシアの伝統的な軍服をモチーフにしていると思うのですが、織田選手にとても似合った衣装だと思います。ウィルソンの時には茶系が多かったように思うのですが、今回の衣装の方が彼の演技に映えると思います。リンクサイドにアリーナ席があり、下手するとそこへ飛び込みそうなくらいの滑走スピードでした。さすがに、競技会プログラムです。だからと思うのですが、アクセルは2Aでした。3F+3Tのコンビネーションは、死角に入ったので成否は未確認です。

グイグイと進んでいくスケーティングで、力強さが増したと感じる演技です。念願の全日本を獲りましたし、充実感あふれる時期なのかもしれません。

 アンコールは...確か、もう一度仮面舞踏会のストレートラインだったと思います。さすがに、この衣装でFPはないかなと思いました。

 浅田真央(タンゴ・ポル・ウナ・カベーサ)

 登場から大声援です。普段と比べたら、お子様方の声が少ないかなと思いましたが、やはり平日夕方の影響かもしれません。それでも、ダントツの人気です。「この人については、紹介しなくても良いと思います」と、アナウンサーも投げていました。「皆さんの方が、良く知ってますよね」とも。確かに...(汗。 そうは言いながらも、一通りはキャリアと所属をアナウンスしましたが。

 もう、貫禄の演技でした。ジャンプもミスなく降りたと記憶しています。完成度のとても高いエキシだったと感じました。ただ、中野選手のSAYURIと反対で、この曲は真っ白な照明だと魅力が減ってしまうと思いました。曲調が変わる終盤の高速ステップのところ、ちょっと迫力に欠けたのは、照明の事情もあると思います。真央選手の周囲に暗い影ができないと妖しさは醸し出されないと思います。

 このフェスティバルは、エキシビションなのに、演技後に花などの投げ込みができます。私達もリンクサイドに近い席で観ていたのですが、後ろから花束が飛んできて、結構大変でした。フラワーガールは、時々転んでいました。

 愛知県大会の上位選手達が今回はフラワーガールになっているとのことで、私達の前方に親御さんと思われる方々が居て、フラワーガールが近づくと一生懸命名前を呼んでいました。ご本人達はそれどころではなかったようですが...。

 アンコールは、仮面舞踏会のストレートラインからでした。曲が始まるのに少し時間がかかり、その間ひっきりなしに「真央ちゃん~」と誰かが呼んでいました。時々、真央選手も声のある方向に笑いながら手を振っており、なんとか間がもっていました。それでも、曲が始まれば真顔で完璧に決めるのは、さすがに世界チャンピオンです。ダントツの人気と世界の頂点の実力といい、本当に凄い選手です。

 グランドフィナーレは、男子選手はジャンプ、女子選手はスパイラルorスピンという感じでした。そして、恒例のボール投げで幕を閉じました。パンフレットの表紙に書いてあるのですが、1月26日(月)24:45~25:45に東海テレビで放映されるそうです。

 終演後、私達の席の観客はリンクサイドのカメラマン席を通って退場したのですが、すぐ側でカメラマンが写真を送っていました。撮ったらその場ですぐに送信するようです。PC画面のサムネイルも覗けたのですが、選手達の生き生きとした演技が撮られており、さすがプロだなぁと感じました。

                           以上です。

2009年1月11日 (日)

'08年全日本道中記

2008年12月25日から27日に長野市ビッグハットで開催された、第77回全日本フィギュアスケート選手権大会の報告と感想については、年内にエントリーをまとめました。これでひと段落はついているのですが、オフアイスでの顛末も、少し面白いかもしれませんので、道中記としてレポートさせて下さい。

<観戦決行に至るまで>

アイスクリスタルからの情報を見落としていて、プレオーダーでのチケット争奪戦には、戦わずして負けてしまった(不戦敗)ため、当初はテレビ観戦と考えていました。'07年の大阪では、お世話になっている方からチケットのお話があったのですが、今回はそういう情報もなかったです。

ところが、11月末の全日本ジュニアを観に行った時に、ジュニア上位選手も出るシニアの全日本も観たいとの気持ちが、ムクムクと湧き上がってきました。それで数日悶々としていたのですが、ダメ元でeプラスのサイトを見てみたら、26日(金)のA席がまだありました。迷わずオーダーして、1週間ほどで手元に届いたと思います。

ところが、もう一つ問題がありました。26日は平日なので、仕事を休ませてもらわねばなりません。特に、この週には仕事の打ち合わせが何件か入っており、日時未定の案件が一つありました。それが、26日になったらアウトです。打ち合わせ先とのアポ取りは上司がしてくれるので、その連絡をビクビクしながら待っていましたが、12月25日に決定したのは、その前々日のことでした。おおわらわで打ち合わせ用の資料を用意しましたが、同時に、26日休暇の打診を上司にどう切り出そうかと、作戦も練っておりました。

おかげさまで、26日の休みもいただけ(ありがとうございます)、キャンセルを狙って電話で問い合わせたホテルの宿泊もとれ、25日までになんとか仕事納めをすることができました。おかげで、クリスマスなぞどこ吹く風でしたが...。

こうして、いざ長野、ビッグハットへ! と相成りました。

<12月26日(大会二日目)>

いつものように起き、列車の予定をネットで調べ、9時頃に駅に着くつもりで準備していました。前日に荷物を用意しておけば良かったのですが、疲れもあって、「朝やればいいや」という感じだったのです。それがマズかった...orz。荷造りや身支度がなかなかはかどらず、予定の時間をオーバーしてしまいました。旅行の出発直前にはよくあるのですが、なんとなく気乗りがしなくなるのです。それで、ボ~とネットを見たり、ダラダラと着替えを用意している間に時間がどんどん過ぎてしまいました。

それでも、本来なら十分に間に合うはずだったのですが、チケットを職場に置いてきてしまった(凡ミスです)ので、取りに行く時間が必用でした。そういう事情もあり、駅へは予定より1時間も遅れて到着となりました...(泣)。仕方ないので、携帯電話からの乗り換え案内と時刻表とを照らし合わせ、東京経由での新幹線利用をやめて、名古屋経由での特急信濃で行くことにしました。その方がナンボか早いようです。

10時過ぎに名古屋に着き、10時30分くらいに臨時列車松本行きがあるのがわかりました。でも、これでは松本から先の接続が悪いので次の11時の列車と変わらないという結論になりました。それで、しばらく名古屋で足止めとなりました。その間に長野までの特急券を買っておかねばということで、コンコースに出ました。お土産の売店には、ミソカツの菓子があふれていたので、ブログのネタ用に写真を撮ろうとカメラを構えたら...「カードを挿入して下さい」とのメッセージ。SDカードを忘れたことに気づき、急いで駅の高島屋に行き、そこのコンシェルジェに案内してもらい、併設の東急ハンズで1G(これしかなかった)のを買いました。時刻は、既に10時50分! 急いでエレベータを降り(各駅停車でしたが...)、コンコースを走ってホームに来ました。ところが、案内表示は11時発の米原行き。どうも、武豊線ホームと間違えたようです。再度あわててもう一つ向こうのホームへと階段を降りて登り、なんとか間に合ったところで、特急信濃が来ました。

バタバタと失敗続きでしたが、なんとか長野行きの列車に乗り、ホっと人心地。時刻表をめくって、到着時間を調べ、女子第1グループはちょっと無理かなと覚悟することにしました。今年から東京ブロックに移った岩城選手のSPが観られないのはちょっと残念です。

あとは木曽川流域の景色を楽しみ、のんびり乗っていました。

Sany0006 ←たぶん、岐阜県に入り、中津川駅を過ぎたあたりの風景だと思います。車内灯の映りこみは、すみません。

ところが、塩尻の手前あたりで緊急停車。前方の駅で事故があったため復旧を待っているとのアナウンス。10分くらい停車していました。その後も前方の列車が遅れているからと、徐行や短い停車を繰り返していました。焦っても仕方ないのですが、時間はどんどん過ぎていき、そのうち競技開始の13時になりました。これは、第3グループの真央選手のSPも観られないかもしれないと思い....私はこの日のチケットしか持っていなかったので、明日は是が非でも当日券を入手することにして、女子SPを見逃すことを覚悟しました。

長野県の塩尻駅を過ぎたあたりから、列車はスムーズに走るようになってきました。途中の駅付近の線路に警察官が沢山いたのを見かけましたので、そこで事故があったようです。それまでは小雪がチラつき、少しだけ積もっているような風景でしたが、トンネルを過ぎたらいきなり雪景色に変わったところがありました。

Sany0015 Sany0017

川端康成の「雪国」冒頭のトンネルは上越線にあるそうですが(ソースはこちら)、篠ノ井線のあたりもそのような感じでした。

雪とはあまり馴染みでないので、山と雪原を巡る景色に堪能してしまい、正直、同時刻に始まっている長野の競技のことは、なんだかどうでもよくなってしまっていました。

Sany0026 Sany0027

圧巻だったのが、姨捨駅付近です。一つ前の駅の看板に”←(次の駅はの意味)姨捨”と書いてあったので、急いでビデオの用意をしました。「鉄子の旅」というマンガで、ここの景色が日本三大車窓であることを知っていたのです(マンガは本当に実用的)。

あまり上手に撮れていませんが、こんな感じです。

芭蕉の時代には、田毎の月として詠まれた棚田のようですが、やはり宅地化も進んでいるようです。でも、雪に隠れた田んぼがちょっと見えたりもして、嬉しい景色でもあります。画面の粗さはご容赦下さい。この反対の車窓では、やはり「鉄子の旅」に登場する江上編集長のサイト(リンクはこちら)に詳しい、スイッチバック(サイトでの紹介はこちら)も見られました。さすがに左右両方向のビデオ撮影はできなかったですが...。田毎の月に関する景色なら、このサイトが良いかと思います。

そんな感じで雪景色を十分楽しませてもらい、松本を過ぎ、いよいよ長野駅に到着しました。遅れは最終的に30分で済み、ダッシュでタクシー乗り場に向かい、会場のビックハットへと連れていってもらいました。ここには、2006年のNHK杯でも来た事があったので、会場隣のショッピングモールが見えてくると、少しドキドキして来ました。正面階段のところで降ろしてもらい、駆け上がってチケットを出し、バックを空けて、急いでロビーへと飛び込んでいきました。第1グループには間に合いませんでしたが、第2グループの6分間練習で客席に着くことができました。

道中記その2に続きます)

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