2010年全米選手権女子FS(第3G~第4G)
全米選手権レポの続きです。
中継のお休み中、J SPORTSでは、SPの放送をしてました。エリー カワムラ選手、SPはオーバーザ レインボーでした。真央選手の演技は知っているのかな?と思いました。
<第3グループ>
6分練習中、モニターにはクリスティー ヤマグチの現地インタビューが映る。リンクに集中しないのが、アメリカらしい(というか、海外らしい)のか。
キャロライン ジャン
曲は、くるみ割り。グラン パ ド ドゥのアダージョ。
もともと、村田投手のまさかり投法のように、振り上げた足の反動でトゥジャンプを跳ぶのだが、振り上げた脚が外に逃げている。中盤以降のエッジジャンプはとても綺麗。エッジ系が跳べるのに、なぜ、トゥ系にこんなに苦労するのだろう? それこそ、股関節に弱さを抱えているのか?
フォアのシャーロットは一直線のポジション。素晴らしい。
衣装は、青みのかかったグレー。年月を経た渋みがある色合い。
得点が出るまで、杉田氏達にも、ものおじしなかったジャンの少女時代のエピソードを話している。
FS 88.33 TOTAL 138.27 この時点でトップ。
ベアトリサ リャン(21歳) SP10位
衣装は青のオーソドックなワンピース。 曲は新世界(ドボルザーク)とアナウンサー。
「今日は、ジャンプのキレはいいですよ。」(杉田氏)
冒頭の3L-2Tで、ルッツを降りた時にニコっと笑っていた。それで、感覚をつかんだのではないか?中盤のフリップを降りた時に破顔一笑。
終盤のルッツがシングルに抜ける。ストレートラインは疲れた雰囲気。それでも、最後の2A-2Tはしっかり決める。フィニッシュのポーズ、一音一音までしっかり決める。
「さすが、キャリアのある選手だなと思います」(杉田氏)
FS 95.73 TOTAL 147.71 トップに立つ。
得点が出る前に、客席のボイタノと佐藤有香さんが映る。多分、来年は女子でも佐藤さんはリンクサイドに行くのでは?
アリッサ シズニー
「最初に予定されているジャンプコンビネーションがキーポイントになるでしょうね」(杉田氏) 曲は、ドクトルジバコ。衣装は、袖なしの渋みのあるグレー。左肩から右腰に輪のように飾りがあり、それが左肩のストラップのようにも見える。
最初の3ルッツで転倒。セカンドつけられず。2回目のフリップは降りる。3回目のジャンプは2フット。
動きが硬く、滑りに精彩がない。
「素晴らしいスピンですね」(杉田氏) 「終わりの2つのスピンは本当に素晴らしいですね。」GOEでプラス3を出してもおかしくない、レイバックでの姿勢変化で頭が全然動かないのが良いと、杉田氏。
ジャンプミスが多いので、得点は伸びないかもしれないが、今後も国際大会で観たい選手。4大陸、出てくれないだろうか?
FS 86.19 TOTAL 147.71 現在2位
エミリー ヒューズ
赤のオーソドックスなワンピース。曲は、風と共に去りぬ。
2回目の3F-2Tで、フリップのランディングが乱れそうになるが、しっかりチェックし、セカンドにもっていく。チェックの力強さが、曲のテーマとマッチしている。
中盤の3ルッツのランディングが苦しいが、根性でチェックする。転倒2回ある。
「非常にパワーのある選手ですが、逆にパワーだけに頼っている動きになってしまいましたね。」(杉田氏) このこと、私も気をつけないと...。
フォアスパイラルで、しっかりビールマンをとる。バックのY字も堂々としている。
アメリカ人のアイデンティティーを体現したという演技。アメリカ人選手としての集大成を意識したのではないだろうか?
得点表示の前に、サラ ヒューズが紹介され、会場が湧いた様子(映像には出ず、杉田氏が、そうであろうと)。
FS 86.85 TOTAL 140.60 TESの表示の時に渋い表情。現在第2位
アレクシー ギレス(18歳)
一昨年の全米ジュニアチャンピオン(アナウンサー)。
青のワンピース。背中が大きく開いているが、腰のところにライン状の細い帯が渡っている。
シットポジションのブレードの安定感が凄い。ハイビジョンだと、そういう様子がわかってとても勉強になる。フォアイン→アウトのスパイラルでは、後半にグラつきある。
懐の深い滑り方で、品がある。後半の3Fと3ルッツで転倒、ハンドタッチ。サーキュラーに入る前のジャンプもミス。
「後半になってジャンプのタイミングがずれた。特に、トゥジャンプで、トゥを突いてすぐに回ろうとしていた。自分のタイミングではない。」(杉田氏)
リンクサイドでは、最終グループが待機している。
FS 89.77 143.31 現在第2位。
「トップは依然としてリャンです。」(アナウンサー)
<第4グループ>
11:55 ウォームアップ開始
映像はコーエンをずっと追っている。
ガオが3T-3Tを綺麗に決める。
ナガスがストレートラインを練習していたら、コーエンと交錯しそうになるが、お互いすんなりと避ける。
アマンダ ドブス(16歳)
踏み切った後の空中での軸がタイトで、ランディングもスムーズ。2回目のフリップは転倒。
赤で右肩から流れるワンショルダー。同じ側の右脇に切れ目。曲はアランフェス協奏曲(独奏はバイオリン)。カデンツァ部分で、3T-3Tを綺麗に決める。
サーキュラーの途中でつまづきそうになり、表情が緩む。
靴の黒ずみが見える(そんなにひどくないが)。そういえば、靴カバーを使用する選手が少ないように思う...。
スローで見ると、転倒したフリップの入りのインスリーは、エッジが完全に跳んでいる(というか、跳ねている)。
FS 95.46 TOTAL 150.72(トップに立つ)
ジュニアから上がって、トップに立つということに、「大変なことですよ」(杉田氏)
クリスティーナ ガオ
水色のワンピース。可愛らしい感じ。
冒頭の3T-3T 「クリーンです」(杉田氏) 3F-2T-2R 「ああ、これもいい」(杉田氏)
3連続は、ランディンがつまった感じだったが、しっかりバランスを保っていた。
イナバウアーから3ルッツ。「ちょっとエッジが、インかなぁ」(杉田氏)
「本当に、素直な滑り方しますね。」(杉田氏)
終盤に入る前の3Fで転倒。踏切は良かったと思うのだが。ストレートラインも失速気味。
最後の2Aはスッポ抜ける。1Aになったか?のツーフット。
演技後、ややがっかりした表情。終盤頑張れば、クリーンプログラムになったのだろうから、残念。 「試合やるたびに、どんどん良くなっていますよね」(杉田氏)
FS 100.27 TOTAL 156.53 トップに立つ なぜか、この辺りから英語中継が混ざる。
アシュリー ワグナー
衣装がパープルで、バラの精のような感じ。曲は、ダッタン人の踊り。
フォーキンへのオマージュ? 振付と動きが素晴らしい。
バックスリーの連続から3R
Y字スパイラルからの2Aも綺麗に決まる。
終盤に盛り上がる動機になる、3R-2Aのシークエンスが見事。次々とジャンプを降りる。最後に、鬼のようなサーキュラーがある。顔を真っ赤にしてステップを進める。
「バンクーバーが待っている...」(杉田氏)
観客スタオベ。
杉田氏も最後のステップで盛り上がりが欠けたことに触れる。確かに、そこが上がったら、もの凄いプログラムになるだろう。でも、それを要求するのも、オニかと...。
バンクーバーで観てみたい。
FS 122.15 TOTAL 184. 70 トップに立つ。
サーシャ コーエン
ストロークの時、フリーレッグが氷に着く時が雑な感じがする。滑りこみが不十分なのでは?
最初の二つのトゥジャンプでフリーレッグのトゥが氷に着いているのを、杉田氏、気にしている。その後、明らかなツーフットや右足が氷から逃がせずに転倒しはじめる。
やはり、杉田氏の眼、すごいなと思う。
衣装は、グレーに近い黒。曲は月光(ベートーベン)
104.65 174.28 第2位。
現地音声トラブルのため、副音声を英語でお送りしてます とのテロップ出る。開き直ったように、英語中継の音量が大きくなる。
レイチェル フラット
3F-3T セカンドは根性降り。みっつめの3Lはステップの前に工夫がある(ハーフジャンプの様)。
曲は、パガニーニの主題による狂詩曲(ラフマニノフ)
曲の盛り上がりと、バックアウトのY字がよく合っている。衣装は、赤のノースリープ。
中盤の締めを3連続。終盤の盛り上がりの3Sを魅せて観客が盛り上がる。
技術的にあまり高くない印象だが、魅せ方で成功した演技のように思う。その意味では、とても優れた、観客にも喜ばれるプログラム。
ニコルの振付と、杉田氏。
なぜか、得点表示前に、杉田氏達が話している時には、アメリカ解説は聞こえず。演技以外は、あまりしゃべらないようだ。逆に、演技以外の情報量の多さが、Jスポの良さだと私は思う。
FS 130.76 TOTAL 200.11 選手、コーチともども凄い喜び方。
私は、ワグナーの方が好きだが...。
ミライ ナガス
カルメン前奏曲!! でも、すぐに終わる。
3F-2T-2T
ハバネラで、2A-3T! 3Fで笑顔。とても良く集中している。
レイバックで手拍子。
バックアウトのY字スパイラルで笑顔。「こんなの簡単なんだよ」という雰囲気。
3ルッツ、イナから3R-2A 神が降りている。
イーグルから2A
終盤、ジプシーの踊り。
フリップからストレートラインに入る。シークエンス途中のセンターでタメを作り、大盛り上がり。
最後は、本当に頑張ってのコンビネーションスピン。I字で絶叫。
もう、とにかく信じられない、神がかった演技。
「このフリー観たら、本当、すごいと思いました。」(杉田氏)
ジャンプで?が付くのは、ほとんどない。放物線を描くような、質の高いジャンプと、杉田氏。
FS 118.72 TOTAL 188.78 2位
両手を挙げて喜んだ後、うんうんと頷く。フランクキャロルに笑顔はない。
ナガスの得点はわかるが、フラットの得点集計の時、計算機がサービスしすぎたのでは?
個人的には、ワグナーの演技が好きだった。おそらく、バレエ リュスのイメージを表現したのだろう。フラットは、そんなに良かったかなぁ。。。と思うが、それは個人の好み。ナガスが2位に入って良かった。
最終順位は、1位 フラット 2位 ナガス 3位 ワグナー 4位 コーエン 5位 ギャオ 6位 ドブス 7位 リャン 8位 ギルス 9位 ヒューズ 10位シズニー 11位 ジャン
以上です。
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