'09中部フィギュアスケート選手権大会 2日目
※申し訳ありません、書きかけのエントリーを間違えてアップしてしまったみたいです。もう出してしまったので、書きかけを随時更新していきます。すみません。
※大会から間が空いてしまったので不完全ですが、一応全部書き終わりました('09.10.11.)
平成21年9月26日(土)の大会2日目のレポートです。
この日は休日出勤命令が出ていたので、泣く泣くノービスAクラスの観戦を諦めた。クラブの選手達が出場したので応援したかったし、将来を嘱望されている選手達が揃っているカテゴリーなので楽しみにしていたのだが...。
クラブの選手は好成績を修め、全日本ノービスへの出場権を獲得したとうかがった。とても嬉しい。だからこそ、本番に応援できなかったのが残念だった。ならば、全日本ノービスは?と思うのだが、八戸なのでちょっと無理だろう。
女子ジュニアにも、クラブから今年ノービスからあがったばかりの選手が出場していたのだが、こちらも時間が間に合わず、結果だけ知ったのだが、かなり頑張ったようである。私は村上佳菜子選手の演技が終わった後に会場入りしたようであり、楽しみな選手の演技をことごとく観ることができなかった。
でも、女子ジュニアの後半の演技は観ることができた。
印象的だったのは、大庭雅選手(名東FSC)と近藤里奈選手(グランプリ東海クラブ)。大庭選手は初めて観たのだが、軸の美しいジャンプとスピン、それに腕の動きが優雅でとても綺麗な演技をしていた。近藤選手は、スピンの名手として有名なのだが、SPでも存分に持ち味を発揮していた。圧巻だったのは終盤で、同じポジションを維持しながらも曲の抑揚を表現していた部分。スピンそのものに表情がなければ、ああいう表現はできないと思う。それと、スケーティングが非常に美しく、しっかりとエッジに乗って線の太い(この場合は良い意味で)トレースを描いていた。決して重いスケーティングではないのだが、ジュニア特有の繊細さの中に、しっかりとした基本技術がうかがわれ、私達大人初心者にはこの上ないお手本のようなエッジワークであった。
(すみません、シニア男子のレポを忘れていました)
ジュニア女子が終わると、すぐにシニア男子の3選手が練習滑走を始めた。その前の整氷から3グループ目にあたるので、3グループ毎に行っている整氷のサイクルから考えれば、なしで当然なのだが、クラスが変わっても整氷がされないことに、釈然としない思いを抱いてしまった。
最初の滑走が小塚選手であった。ジミ・ヘンドリクスの”Bold as love”とパンフレットに書いてある。バンクーバーオリンピックを目指す小塚選手が、なぜジミ・ヘンドリックスの曲をSPに選んだのかがわからない。お世話になっている方にその疑問を話したところ、ジミ・ヘンドリクスはカナダと馴染みが深いらしいとのことだった。Wikipediaでカナダとの関係を調べてみたが、特に見当たらず、シアトル出身(私も行ったことがあるのだが、カナダ国境に近く、観光で行き来ができるらしい)ということや、ウッドストック(やはりカナダ国境近く)のフェスティバルに出演したことくらいしか思いあたるものはなかった。
演技はTHE ICEでも観ていたが、試合でも魅了される素晴らしい演技だと感じた。特に、リズムセクションをしっかり聴いており、(やや乱暴なたとえだが)腰の入った動きなので、メロディーラインの揺らぎに翻弄されずに演じきっているという印象が残っている。演奏の締めの一撃で、うつ伏せた顔をガッと上げるのは、あまりロックぽくないと思ったが、そんなことはPCSには関係ないだろう...。
男子3人の演技に続いて整氷が終わり、いよいよシニア女子のショートプログラム。
今回は、鈴木明子選手の演技はもちろんだが、全日本選手権でも活躍している大学生勢と、ジュニアから上がってきた高校生勢の争いが注目と感じていた。昨年もジュニアからあがったばかりの後藤亜由美選手が優勝したし。後藤選手も高校生シニアの一人である。大学生スケーターの目玉は、やはり水津瑠美選手だろう。2年ほど前に、神宮のシンクロチームの発表会を観に行ったが、その時に同じ神宮の選手ということでゲスト出演してナディアを披露していた。その水津選手が、まさか、中部のブロック大会に出場するようになるとは思わなかった。それこそ、「ようこそ! モリコロへ!!」という感じである。
にしても、ある意味では寂しい大会である。水津選手と共に中京大学の1年生で宮本明日香選手が出場しており、会場ですれ違った時、「お姉さんはお元気ですか?」と喉まで出掛かってしまった。面識なんて何もないので、もちろん自粛したが...宮本亜由美選手のいない中部ブロックなんて...と思ってしまう。曽根さんはお元気そうだった。中京大中京高校のスケート部の関係で、パリっとしたスーツを着て会場でいつもの通りの声援をされていた。それと、会場内で恩田美栄先生もお見かけした。このリンクが拠点のクラブを指導されているが、今日も帽子を被っての観戦だった。たぶん生徒さん達だと思うのだが、子供達が次々と先生の周りに集まってくるのが印象的だった。私が初めて中部選手権を観た、'05年の邦和での大会は、トリノ代表権をかけての恩田選手の戦いの幕開けであったことを懐かしく思い出す。
様々な意味で、”I miss you(この場合は複数形).”と言いたい今年の大会でもあった。
そんな、少しブルーな気分を粉々にしてくれたのは...もちろん、鈴木明子選手。SPのタイトルは”アンダルシア”とパンフレットにはあるが、曲は'07ー'08シーズンのSPであった、”ファイヤーダンス(リバーダンスより)”と同じだと思う。(”アンダルシア(リバーダンスより)”は、”ファイヤーダンス”とは別の曲とご指摘を頂きました。ありがとうございます。)
ただ、振付は更に洗練されていた。印象的なのは、前半のキャメルの後のトゥステップ。フラメンコの雰囲気を醸しつつ、ジャッジ席向かって左側からツツッと脚を寄せながら数歩進んでいく。ただ、ストレートラインはその後に予定されており、少しだけトゥステップを見せるだけだが、それが更に観る人の心を惹きつけるのではないかと思う。
多く語らずとも、「是非観て下さい」と言いたくなる、素晴らしいプログラム。おそらく、彼女のマスターピースとして語られていくのではないだろうか。
技術的な感想を記せば、フリップの跳躍の高さが非常に増している。空中での軸も非常にタイトで、危うさを微塵も感じさせないジャンプだった。昨シーズンの全日本を始め、SPのジャンプ(ルッツかフリップ)で着氷が上手くいかずに出遅れ、それが最終順位に響くというケースがあったと記憶している。それへの対応として、SPのジャンプの精度を上げているのかなと思う。
そして、スケーティングの速さと滑らかさと力強さは半端ではない。採点システムの調子が今ひとつ良くないようで、各選手の得点発表までに時間が空くことが多かった。前に演技した選手の得点が出る間(SPの滑走は7番目でしたが、1グループ5人で演技していたので、第二グループは6番滑走の石原瑠衣選手からだったと思います)、バックエッジからのワルツスリーを流していたが、何気ない足ならしの滑走の早さと力強さにはびっくりしてしまった。
この、ほんの数分、本番演技の直前の時間だけで、観る人に強い印象を与えるくらいの存在感とスケーティングが鈴木選手に備わっていると感じた。もともとファンではあるが、こういう実感は今シーズンが初めてである。それだけ、地力をつけたのだと信じている。
他の選手達の印象を思い出すと、日置 檀選手の演技が良かったと思う。前年のTHE ICEやジュニアで出場した試合では、あまり良いジャンプを観た覚えがなかったのだが、今回はタイトな軸に力強さも備わったトリプルジャンプを跳んでいた。オレンジ(だったかな?)の衣装が脳裏に残っている。多分、それだけ印象的な演技であったのだろう。曲は”Scotto&Frans Passodoble”とある。フィギュアの試合で時々耳にする曲なのでググってみたところ、”Scott & Fran's Paso Doble ”が正しく、ダンシングヒーローという映画のクライマックスで使われている曲のようである。
後藤亜由美選手はパンフレットに”Vamos A Bailar”とある。昨年と同じジプシーキングスの曲。昨年は確か”Gipsy Kings”と書いてあったと思うが、今年は曲名になってるのがちょっと面白い。昨年の中部選手権の後で、編曲を担当された先生にお話を伺う機会があったのだが、ヴォーカル部分を抜いてプログラム用の編集をするのにすごく苦労したと、教えて下さった。ヴォーカルもすごく格好良い曲なので、エキシビションで取り組んでくれないかなと思う。
水津瑠美選手は、演技よりも大腿部の外側に筋肉がついているのが気になった。バレエなどダンスの経験のある人なら理解してもらえると思うのだが、その部分は太らせてはいけないことになっている。もっとも、バレエでは大腿四頭筋(腿の前側)にも筋肉がつくことを嫌い、専ら内転筋(太腿の内側)の強化を勧めるのだが...。
スピードスケーターなら、大腿の外側にまで豊かな筋肉がつくのだが、フィギュアスケーターでそこを発達させる理由や原因がわからない。私の気のせいなのだろうか...。
演技は、ポーズのとり方が美しく、良い意味で試合慣れしているように思った。コンビネーションで3T+3Tを降りたと思う。もうプロトコルはとっくに出ている(現在10月11日です)ので確認したところ、セカンドジャンプがダウングレードされていた。あと、アクセルも抜けたのは観てわかったが、プロトコルでは”A”でベースバリューも0なので、スリージャンプと認定された(シングルアクセルなら、前半0.8後半0.88のバリューはあるーもっとも、SPの必須要素ではないので得点には加わらないと思うがー'09.10.11.追記)ようである。
中村愛音選手は、昨年のヴェルディのレクイエムの鮮烈さを思うと、少し印象がボヤけていた感じがした。吹奏楽の経験のある身としては、”Armenian Rhapsody”というタイトルに反応してしまい、「アルメニアンダンスとの共通点は...?」と、そればかり気になってしまった。ちなみに、私は、パート1を高校生のコンクールで吹いたことがある。あと、地元の高校の全国大会でのパート2は歴史的名演と言われており、今でも鮮烈に記憶に残っている。
あと、中村選手で”?”と思ったのは、パンフレットにある、趣味覧の「ショッピング、柔軟剤」との記載である。柔軟剤が趣味というのがよくわからない。演技とは関係なさそうだが、中部選手権のパンフレットは読んでいて面白い。
浅田舞選手は棄権であった。シニア選手権が始まる少し前に、お世話になっている方からその情報をいただき、整氷の時に行きあった知人夫妻にお伝えした。ご主人が舞選手のファンだと覚えていたので...。そうしたら、「じゃぁ、入り口に居た人たち気の毒だね」と奥様がおっしゃった。詳しく尋ねると、雰囲気的に舞選手のファンというのがわかる男性の集団が会場の出入り口に集結していたとのこと。
それはともかくとして、真央選手との姉妹そろっての全日本選手権出場がかなわなくなるのが、とても寂しい。私が観始めたのは、2005年の代々木の全日本からだが、Wikipediaによると、姉妹揃っての出場は2002から連綿と続いていたようである。それが途切れるのはやはり残念である。棄権の理由はわからないのだが、再起を願っている。
おまけの画像2 西駐車場からすぐの池の向こうにある、アイススケート場と屋内プール(中央より左側がスケート場)
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