« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月

2009年5月26日 (火)

For the Next

おはようございます。

今年のマスターズチャレンジカップが終了して、もう1週間が経ちました。

この週末は職場の大学で、全国規模の研究会があったため、私もお手伝いに参加して休みなしで仕事をしていました(ボランティアですが)。そのため、マスターズ以降はまだ、氷に乗ることができていません。日々は、試合のために先送りしていた仕事に追われ、忙しくなっています。今からも、シャワーを浴びたら職場に向かいます。

でも、全ては次のチャンスのためです。

それが発表会なのか、試合なのかはわかりませんが、その時のために練習を続けようと思います。靴は磨かれ、ブレードには油がひかれ、リンクに降りるスタンバイはしてあります。

正直、限界は感じますし、仕事との兼ね合いを考えると今季以上に集中して練習することは、もうできないと思います。事情が許してくれません。なので、今年のマスターズを最高のパフォーマンスの機会として臨みました。「それでも、あの程度か...」というので、気持ちが落ち込んでいます。頸の調子も良くないですし...。

でも、なんか違うな...とも感じています。限界だから、これ以上練習できないから、だから辞めるというのは、大人のスポーツじゃない気がするのです。プロなら立派な引き際ですが、趣味でやっている大人の場合は、「ピークを越えても続けるのは嫌!」というのはすごくもったいない気がします。

おそらく、来年のパフォーマンスは期待できないだろうと、自分では感じています。もう、頑張れませんというか、別のことで頑張らねばならないのです。それでも、自分にしかできない何かが、フィギュアスケートでもあるようにも感じています。「とにかく、頑張れ!」と、もう一人の自分が言っております。リアルでも、ネットでも応援して下さる皆さんも、私が神演技をしてスタオベを受けるなんて期待していないと思います。むしろ、転んでもすぐに起き上がり、曲に遅れまいと演技を続ける、そういう姿を評価して下さるのだと思います。

音楽は、待ってくれないのです。

先生からも、練習中の私のそういう部分は、子供達も見習ってほしいと、言ってくださったことがありました。たとえ満足できなくても、たとえ格好悪くても、それでも頑張る、できる範囲でできる努力を続ける、そういう大人の姿を見て、子供は育つのだと思います。

だから、もうちょっと頑張り続けようと思います。トレーニングの密度は減っても、リンクに降りる時間が少なくなっても、できる時間で頑張る、できるだけ工夫して練習を楽しんでいきたいと思います。

全ては、次のチャンスのため...もう、来年への遠征は始まっています。

皆さんの声に、心から感謝しております。ありがとうございます。

2009年5月18日 (月)

プリンスアイスワールド豊橋公演(取り急ぎ)

おはようございます。

マスターズの応援を、本当にありがとうございました。

報告をブログにアップしたら、その午後にはプリンスの豊橋公演(16時~)にいきました。

詳しいレポは、いただいたコメントへのお返事をしてから着手しますが....

素晴らしかった、沢山の人たちに観てもらいたい!!

という気持ちを速報したいです。

東京公演のプレオーダーも始まっているようですので、チャンスをみて、もう一度行きたいです。評判のアイスチームのシンクロ、なにげに凄いです。軸を移動しながらの二重のサークル(しかも手をつながずステップを踏んで)とか、ブロックでの隊形の美しさとか、あとさりげなくエッグビーターを入れていたと思います。

シンクロスケーターの内田絢子さんのブログ(こちら)でシンクロナイズドスケーティングについておさらいすると、更に面白いかもしれません。

公演全体を通して、質が高く楽しめるショーになっています。スケート仲間3人で観に行きましたが、皆満足の公演でした。退場時に後ろの方からは、「お金払って来ただけの甲斐があったね」というご婦人の声もきかれました。

ぜひ、多くの人たちに観てもらい、来年・再来年と続いてほしいと願っています。

2009年5月17日 (日)

'09マスターズチャレンジカップの振り返り

昨日、東伏見のダイドードリンコアイスアリーナで開催された第15回マスターズチャレンジカップに出場しました。最後の選手の演技が22時近くに終わり、それから帰途について、今(17日6時)に着きました(パーキングエリアで仮眠をとったので)。

結果から報告すると、10人中6位で入賞(8位まで)となり、表彰状をいただきました。

昨年は10人中8位でしたので、順位が二つ上がったのは嬉しいです。でも、得点が技術・プレゼンテーション共に2.2くらいで、昨年の2.0(くらい)に比べてあまりあがらなかったのがショックでした。演技時間を1分から2分30秒に増やし、ジャンプやステップの数と種類も増やしてもらったので、2.5点を越えることを期待していました。でも、昨年からの大幅アップとはならず、前に滑走していた方々が3点を越えてきたので、得点を見た時にはちょっと落ち込みましたし、「これだけ練習してもダメなのか...」と限界も感じました。

ただ、着替えのために戻って少し落ち着き、ジャッジの先生方が何を要求しており、自分はなぜそれに応えられないかを理解しないといけないと、考え直しました。評価されないのには理由がある、それは社会生活をしていて、とことんわかったことです。ならば、教えてもらえるものならば教えてもらう、自分で気づかないといけないことなら考える、そう思い、帯同して下さった先生のところへ戻りました。

ちょうど、私達のグループの最終滑走のkemeさんの演技が始まるところでしたので、先生と一緒に観ました。彼の演技には先生もびっくりしたようで、滑りのなめらかさと空中で軸がとれるジャンプ(トゥループとサルコウをダブルで降りたと記憶しています)に感心していました。マスターズがこんなにレベルが高い大会だと思わなかった、ともおっしゃっていました。

その後で、私の演技の反省会をし、トゥジャンプとループジャンプの踏み切りが両足荷重になっていること、ストレートラインで苦手なステップ(ブラケットとループ)で失速してしまうことが得点の伸び悩みの原因ではないかと教えてもらえました。

あと、いわずもがななのですが...スピンの失敗と最初のジャンプ(シングルアクセル)がスリーになったことは、私の方から先生に言いました。スピンは、頸への負担が大きすぎて、日ごろから練習できないことは先生に言ってあります。やりすぎると次の日に起きることができないくらいめまいが起こるのと、シット姿勢で回ると頸が痛むのです。頸部周囲の筋肉を増やして、少しずつスピンも練習できるようになっていますが、かなり慎重にしています。頸は大事です。

なので、スピンができない分点数が出ないのは覚悟のうえですが、それでも...(一応)シットに入るところで前向きに転んでしまい、あれは残念でした。練習不足のバチかもしれません。曲かけ練習では、ヘロヘロながらも3回は回ってからアップライトに変化できていたのですが...。

あと、最初のジャンプの失敗は、自分でも許せないタイプのものです。ああいう失敗はいかん!!反時計回りのモホークからアクセルに入るところを、間違えてトゥループの入りになってしまい、パニクリました。多分、気持ちを落ち着けようと、コールされる前にトゥループを一回跳んだのがまずかったと思います。このジャンプが一番好きなのですが、今回のプログラムではコンビネーションのセカンドでしか入ってません。なのに、前の演技者の得点表示の間に単独で跳んだりしたので、最初のジャンプで混乱したのだと思います。

プログラムに予定されていない動きは、演技直前にすべきではない。

考えても、自分に腹の立つ失敗ですが、良い勉強になりました。もっとも、シングルアクセルは、まだツーフットでしか降りれないので、いずれにしても課題は残ったままです。なので、この失敗がなくても点数はあまり変わらなかったと思います。

とにかくファーストジャンプはきちんと降りる。この重要性を思い知りました。

マスターズの素晴らしいことですが、世界選手権でのレフェリーのご経験のある先生方や国際審判で現在も活躍されている先生方がジャッジして下さいます。そして、レフェリーの先生が演技後に控え室で一人一人に講評をして下さるので、非常に勉強になります。

昨年同様、私達のグループは杉田秀男先生がみて下さり、私の演技も講評して下さりました。その後でもお話(フィギュアスケートでのジャッジングの観点など)を個人的にうかがう機会もあり、そこでも私の演技の課題を追加で指導してもらえました。

特に言われたのは、フットワークの悪さです。腕では一生懸命表現しようとしているのはわかるが、脚がそれについていってない。全身で曲を表現することは大切だし、たとえ技術では選手達に劣っても、曲の表現は大人でもできるはずである、と言われました。

そのためにも、正確なエッジワーク、クリーンなスケーティングは大切であり、プログラム中に両足で滑る部分が多いのも気になったとのことです。

これらのことは、”アフリカンシンフォニー”の練習中に自分でも課題としてあげていたことですが、全然できてなかったんだなと、ホロ苦い思いで聴いておりました。でも自分が感じていた課題と、杉田先生(2005年までISUのレフェリーで、現在も審判をチェックする仕事をISUから任命されているーWikipediaによるー先生ですよ)が言われたことが通じているようで、少し嬉しかったです。

ジャンプに関する課題と併せ、インストラクターの先生と相談していけると思います。その意味でも、今回、インストラクターの先生に帯同して頂いたことは本当に良かったです。

その他、リンクを一杯に使うこと、ジャンプだけでなくスケーティング(フットワーク)やステップ、プレゼンテーションの質を上げて、プログラムをパッケージとして評価されるようにしないと点数は低くなること、難易度の追求はやはり大事であるがその前提としてクリーンな技術が求められること、そういうことをジャッジはみているとも教えていただけました。そして、聴いて感動する曲とフィギュアで感動が伝わる曲は異なることがあるそうです。自分の技量に合わせた曲を選ぶこと、空間を通して相手に伝える思いを持つことが大切ともおっしゃっておられました。

もちろん、私の頸のことは杉田先生はご存知ないはずですが、それでもスピンのマズさには触れられなかったのは、先生の優しさかなと思います(指摘するのが可愛そうなほど、ひどかった...泣)。頸部の故障は整形外科の先生とも相談していますので、できる範囲で、頑張っていきます。

正直に言うと、もともとスピンは嫌いだったので、怪我を言い訳にしている部分もあるかもしれません。A様(元クラブの先輩で、現在は名古屋在住、今回マスターズにも参戦)に話したら、自分は酔い止めを飲んで練習しているとのことでした。「負けた! この人には勝てない...」と思います。もちろん、頚椎ヘルニアがある以上、私は無理しませんが。

あと、杉田先生からは、アフリカの雰囲気を出そうという衣装や演技の意図はわかったと言われました。「でも、足元が...」とのつながりなのですが、振付からニュアンスを理解して表現するのは自分ですので、その自分の努力はある程度、実を結んだのかなとも感じます。振付では、動作や滑走コース、各種エレメンツの内容やリンク上の位置取りについて教えていただくだけです。「ここはこんな気持ちで...」とか、「こんな雰囲気で...」というようなニュアンスとか意図に関する指導は受けておりません。大人ですので、曲や振付の解釈は自分でするのが一番だと私も思いますし、おそらく先生も私に任されたのだと思います。

今回の演技では、自然の営みと人間のプリミティブ(本源的)な動きを意識していました。それが、演技が雑になった原因かもしれませんが...。でも、練習中はとても楽しかったし、昨日の本番中も、無心に演じていました。

というか...真っ白だったのですが...(汗)。

最初のジャンプでパニくったので、「まずい、次転ぶ、ルッツ降りれない...あれ、おりちゃった...あ、じゃぁ次のサルコウで転ぶ...あれ? あれ?  とにかくストレートラインに入らないと...(ストレートライン中)...やけに会場が静かだな、みんな白けちゃったのかな...それでもやんないと...」と、ものすごくネガティブモードでした。

それでも転ばずに済んだので、「よーし、ラストまで!!」と気を取り直して、シット(仮)に入ろうとした瞬間に両膝を突きました。「あ!」と本当に声を出してしまい、後悔した時には、最後のジャンプシークエンス(フリップ→トゥループ、ホップしてサルコウ)をやってました。

よくわからないのですが、心は乱れていたのに身体は動けたのは、練習のおかげかもしれません。とても嬉しいです。心身ともに充実して演技できるとは限りませんので、常に悪コンディションを想定して練習していました。もちろん、基本的にはポジティブシンキングなのですが、悪いときにも悪いなりに滑りきれるのも練習成果だと信じてます。

身体的には、とてもコンディションが良かったです。もちろん、仕事や移動の疲労は感じていました。でも、それは仕方ないです。当日午前3時からの貸切練習もしましたが、地元で顔なじみの子達が、お母様方と一緒に参加しました。わざわざ東京まで来て1時間半の貸切に乗るのって、子供達にとって意味があるのかな...とも思いますが、彼らの先輩(私と一緒にマスターズに出場しました)と私への応援も兼ねているということで、子供達もすごく楽しみにしていたそうです。

将来が期待されている子達ですので、長距離・夜間の移動→初めてのリンクでの曲かけ練習は、もしかしたら将来への良いシュミレーションになるかもしれません。なので、今年も敢行して良かったなと、つくづく感じます。来年は...お子様方の意見を聞いてから決めます。

もちろん、私も良い練習になりましたし、今年は出番が午後3時30分からだったので、2時くらいまで車の中で熟睡できました。ただ、打ち込んでいる今、気づいたのですが、運転席では脚を伸ばせずに寝てました。脚の疲労抜きでは問題があったのかもしれません。それは、来年の懸案とします。そうだとしても、昨年に比べればコンディションはとても良かったです。昨年失敗した、靴ひものトラブルも今年はなく、思いっきり滑れました。

やはり、5分間練習では緊張が先走りましたが、途中で先生のところに行き、「緊張しているみたいです。落ち着いてやります。」と話すことで落ち着くことができました。やはり、心強かったです。

振り返ってみると、収穫がとても多い大会でした。他の方々と同じ2分30秒のプログラムで10人中6位ですので、今の私の実力は、この組のアヴェレージのやや下ということだと思います。残念な結果ですが、昨年からはアップしてますので、来年も同じようなアップを目指していけたらと思います。

具体的には、順位5位、得点で2.5点が目標として現実的だと思います。このクラスの上位と中位とは点数に少し開きがあるようですので、4位以内は結構大変だと思います。でも、目標はノルマではないので5年・10年後を考えながら楽しみにしていきたいです。

大会運営に携わって下さった方々、審判役員の先生方、帯同して下さった先生、会場やネットで応援して下さった皆様、そして一緒に参加した方々、多くの人たちに感謝します。

2009年5月15日 (金)

アフリカン・シンフォニー

風が嵐を呼び

雨で大地は緑に変わる

川に魚が跳ね、ステップを獣が翔ける

空に鳥が舞い、

人は佇み、大樹が育つ

2009年5月14日 (木)

明日...

明日、午前中に病棟実習があり、午後は学生への個別指導、それが終って身支度を整えたら、東京へと向かう。仕事がトラブルなく終わり、土曜日の本番を迎えられれば良いのだが...もう、祈るしかない。

でも、昨年よりかは気持ちは楽だ。今週に入って、火曜日にモリコロの貸切練習に出させていただけた。”アフリカンシンフォニー”の振付もして下さった、インストラクターの先生のクラブ練習に参加させていただけたのだ。私は別のクラブに所属しているので、シーズン中の貸切練習では、曲かけを先生にみていただくことはできなかった。今日、初めて、振付をして下さった先生に全体の通しを指導していただけた。

この貸切のチャンスがなければ、本番までその機会はなかったので、ご配慮くださった先生と、クラブの皆さんには本当に感謝している。火曜日の1時間半は、シーズン中の10時間に匹敵するくらい貴重な練習だったと感じる。先生からは、終末の滑走コースは変更の必用があることをアドバイスされ、それが課題として残った。あと、シット(といえるようなシロモノではないのだが...)の入りで、もっとエッジに乗ってとの指導もいただいた。自分の先生に全然みていただけない(ステップやジャンプなど、部分レベルでの指導はいただいていたが...)状態で本番に臨むのは、かなり不安があったので、これで不安は解消できた。

ただ、仕事と大学院の勉強がかなり忙しく、結局、今週は調整レベルでもトレーニングが全然できなかった。職場でもできる運動を考え、少しはやったが、量は全然足りない。なので、筋肉が緩んだままで明日に臨むことに不安はある。でも、仕方ないので、今の状態で調整していくしかない。明日の朝は、走れるだろうか...?

あと、衣装がやっと目処がついた。

振付を覚えた頃からずっと気にしていたのだが、今回の曲にどんな服で臨むのか、衣装は頭痛の種だった。結局、靴が黒なのでパンツも黒にするのは譲れず、シャツは薄手の白にして、インナーを緑にすれば、シャツから透けた緑がきれいかなと思い、それで準備した。ところが、鏡で見てもシャツからはそんなにインナーの色は透けてこない。インナーが見えるようにシャツのボタンを外したら、滑走時の風圧で膨らんでしまうだろうし...。あれこれ考え、”アフリカン~”なので、土くさい茶色のシャツ(自分が持っていたもの)を使うことにした。火曜日の貸切でも、それを着て滑ったのだが、特に抵抗はなく、これで衣装は決まったことになる。

あとは、荷造りが大きな仕事だが、もう疲れて眠いので、明日にしようと思う。

2009年5月 9日 (土)

されど真央は偉大である...

アメリカでフィギュア人気が低迷しており、それがISUの財政逼迫の要因となっているとの意見が、「親父の目」であったが、さもありなんという気がする。というか...そもそも、米国でよくフィギュアスケートなんぞが人気あったなぁ...と、そちらの方が不思議である。フィギュアの大会というと、寒いなか、何も食べずにお行儀良く観ないといけない。ポップコーンやフライドポテトをほおばりながら、ビール片手に、ヤンヤと騒ぐ乗りとはかけ離れた文化である。よく、米国人がそんな雰囲気でスポーツが堪能できると...不思議でしょうがなかった。

米国には、何よりも、NFLがある。あんなに素晴らしいプロリーグがあり、全米はおろか世界中が一気にヒートアップするのに、なぜフィギュアなんかに...?と思わずにおれない。確かに私もフィギュアスケートは大好きだし、試合観戦にも出かける。でも、正直、いつまでこのスポーツに肩入れするかは、わからない。最近は、中森明菜のディナーショーに目標が移っているし、世の中には楽しいこと、面白いことが一杯ある。別に、フィギュアだけが楽しみではない.....。

といいながらも...多分、ずるずるとフィギュアファンを続けるのだろうけど...。やはり、このスポーツには、このスポーツにしかない面白さがある。

たとえて言えば、スケールや知名度ではF1グランプリに歯が立たないとしても、競輪には競輪なりの醍醐味があるということである。私はギャンブルは一切やらないので、実際には競輪競技を生で観たことはないのだが、テレビでは結構楽しんでいる。あのかけひきと最後の追い込みには、ワクワクさせられる。パワーとスピードで言えば、F1マシンの比ではないが、人力で出せる限界の世界には、やはり素晴らしいものがあると思う。

同じように、NFLのような究極にまで行き着いた感はないにしても、フィギュアスケートにはフィギュアにしかない、極限の世界がある。その一つが、ジャンプの着氷である。最近の議論では、回転が足りてるかとか、エッジの向きがどうかとか、(申し訳ないが)重箱の隅をつつくような話題が多く、そのための検証ビデオもネットに出回っている。

でも、考えてほしい。スローモーションでじっくり観ないと判別がつかないような、本当に微妙な動作を、音楽に合わせて、何度も繰り返しているのが、選手達の演技なのである。

回転が足りているか否かは、もちろん大事である。何度も記すが、その判定がルールに盛り込まれるのは、意味があると思う。でも、その判定は専門家であるジャッジの仕事である。ファンがジャッジをジャッジするのも、ファンなりの楽しみかもしれないが、そのためにフィギュアスケートの醍醐味を見失ってはいないだろうか?少なくとも私は、スローで観れば観るほど、選手達の技術のすごさに言葉を失ってしまう。着氷のほんの一瞬、トゥが氷にかすったかと思う瞬間に、エッジが氷をとらえ、フリーレッグが後ろへと身体を導いていくのである。回転が足りてようと、足りてまいと、「よくこんなことができるものだ...」と思わずにはおれない...私は...。

真央選手のエッジジャンプについては、トゥジャンプと同じように踏み切りに難があることがある。いわゆるプレローテーションの問題だが、その様子をビデオを見ても、限界までエッジを倒して小さな弧を描き、そこから揚力を得て身体を全身で投げ出していくのがわかるかもしれない。特にトリプルループでは、2回転しながら身体を上方へと捻っていき、降りながら3回転目に至るためのゆとりを、自ら生み出しているのがわかる。適切なたとえではないかもしれないが、まるで、ヘリコプターのように自らを飛ばしているように見える。彼女のループジャンプは、アートだと思う。

それと、セカンドジャンプの認定の話とは、少し区別した方が良いかもしれない。点数に直結した議論ばかりでは、選手のポテンシャルを正等に評価できないのではないかと、私は思うのだ。点数が出なければ選手には能力がないというような意見ばかりでは、フィギュアスケートは面白くないのではないだろうか...?

もちろん、選手達は勝利を目指しており、より高い評価、点数が出るように努力している。クラブの子達の話を聞いていても、レベル認定とか、エレメンツの難易度の判定とか、そういうことを真剣に考えて練習しているようだ。もちろん、トップ選手たちも、現行のルールを意識して練習に励んでいるのだろう。でも、点数に直結する部分ばかりを観ていたら、やはりフィギュアは面白くない。繰り返すが、私はそう思う。

むしろ、点数には結びつかない部分で、どれだけ汗をかいているか、それこそがスポーツかもしれない。結果も大切だが、結果を出すためには、より広い裾野が必用だということなのだが...。例えば、真央選手のセカンドジャンプでのループへのこだわり。次のシーズンでどうなるかはわからないが、あのタイミングでトリプルループに入れるのは、本当にすごいと思う。もちろん、ルール上は認められず、ダブルへダウングレードされ、GOEもマイナスという結果であった。点数上は無残である。

でも、その点数分しか、彼女の能力はないのだろうか?

だとしたら、猫の目のように変わるルールの度に、選手の能力評価は変えねばならないだろう。選手自身は、年々、心技体いずれも充実させているのかもしれないのに...。今シーズンは、ファンからも非難ごうごうだった、回転不足への二重減点があり、ダウングレードされたジャンプの点数はかなり低くなったようだ。でも、次のシーズンは、GOEは必ずしもマイナスとされないようだ。見た目の出来栄えが点数に反映されるかもしれない。そうすると、同じようなジャンプでも、今シーズンはかなり低く、来シーズンはわりと高く点数がつくということがあるかもしれない。ルールを改正すれば、そういう現象も妥当性を持つ。でも、点数が変わるたびに、選手への評価も変えないといけないのか...?

私はおかしいと思う。車でも、株でも、市場価格は常に変動する。それは、大切な目安である。でも、私にとって掛け替えのない自分の車は、市場価格とは違う価値を私に提供してくれる。株式市場に上場されている企業も、私にとってのその企業の評価は、株価とは異なるものである。株価にも根拠はあるだろうから、尊重はした方が良いとも思うが、自分とその企業との関わりは、市場の論理とは別であることが多いのだ。

同様に、選手を応援する以上、競技会での成績は尊重せねばならないと思う。でも、その選手を好きになる理由は、成績だけとは限らない。だから、たとえ認定されようと、されまいと、私は、真央選手のセカンドのトリプルループは、すごいと思う。あんなジャンプ、私じゃ跳べない...(汗)。

私は下戸なので、ワインなんて飲めないのだが、次の言葉は知っている。

今は第1級だが、過去は第2級だった、されどムートンは不変である。

19世紀以来、メドックの格付けで2級とされていたシャトー・ムートンが1級へと昇格された時の言葉らしいが、私は選手達にも同じ気持ちを持っている。ダウングレードされようと、点数が伸びなかろうと、それはそれ。私が良いと感じた演技はそれだけで、私にとっては価値があるし、たとえ高い点数が出ようとも、気持ちを感じない演技は、私は好きになれない。評価は年毎に変わるが、選手は選手である。

はっきり言うが、世界選手権のキム・ヨナのフリースケーティングは、私は嫌いだ。あんなのシェヘラザードではない。点数については、疑問を感じないし、ネットで問題視されているスピンも、私は高い技術を感じる。彼女は、立派なフィギュアスケートの女王だと思う。だから、彼女には、心から「おめでとう」と言いたい。

でも、音楽との調和については、キム・ヨナの演技には大きな難があると、私は感じる。自分を表現したいあまりに、音楽を足蹴にする演技は、私は好きになれない。

ムートンの言葉を借りれば...

一昨年・昨年と銅であったが、今年は金である。でも、キム・ヨナはキム・ヨナだ。

これは、真央選手にも、安藤選手にも言えると思う。全ての選手達が、堂々と、自分の信じる技術で、自分達の演技をすれば良いと、私は思う。金メダルを獲りたい人は、それを目指した演技をすれば良いだろうし、勝った選手には、心から「おめでとう」と言いたい。

でも、勝とうが負けようが、選手は選手である。その能力が勝ち負けで増減するわけではない。勝敗に関係なく、選手達の、「すごい!」と思える瞬間を、今後も観続けられたらと願っている。

以上のこと、世界選手権で台落ちしてしまったことへの負け惜しみと感じる方もいらっしゃるかもしれない。それは、あると思う。もし、真央選手が世界選手権2連覇をしたら、「やっぱり真央は凄い!!」としか、自分は言わないと思う。でも、確信を持って言えるのは、真央が勝ったからと言って、ヨナを落とすようなことは、自分は言わないということだ。嫌いなものは嫌いと言いたいが、キム・ヨナが偉大なスケーターであり、稀代のトゥ・ジャンパーであることは、私も信じている。

2009年5月 5日 (火)

この一週!

5月16日のマスターズ本番まで、あと2週間を切った。

直前の1週は豊橋のリンクも閉鎖となり、有給もとれないので、月~金曜日は氷に乗れない状態となる。これは、昨年も同様だったが。なので、本番の16日早朝に、やはり昨年と同じように江戸川で早朝貸切の予約をしてある。この1時間半で、干からびた感覚を戻す作業をせねばならない。

そのためにも、勝負は、このゴールデンウィークの1週間である。

4月後半の2週間は、仕事のために思うようにトレーニングができなかった。少しは時間を作ったのだが、年度始めは普段通りというわけにはいかない。なので、4月は疲労抜きの月と割り切った。それで、ゴールデンウィーク突入とともにエンジンを回し始めている。

やはり、サボリの影響はあって、体が重かったが、少しずつ感覚を戻しつつある。昨日(5月4日)は、6分間だけウォームアップをしたら、すぐにプログラムを通す(周囲のお客さんに気遣いながらだが...)という暴挙に出たが、転ばずに滑りとおすことができた。フィギュアの大会の場合、会場内でのアップはできるが、氷上では6分間練習だけですぐに演技となる。なので、このくらいの乱暴さが必要だと、最近は考えている。もちろん、出来は全然だった...。ジャンプにダブルを入れるなんて、とても考えられないくらい、体は動かなかった。それでも、転ばずに滑りとおせた。多分、本番でのパフォーマンスも、それくらいだと思う。

いきなり氷上に出て、どれだけ動けるか?それが勝負なのが、フィギュアスケートなのだろう。靴を履く前に体を温めておいた方が、怪我はしないと思うが...。

豊橋のリンクは、午前9時からオープンしているので、最初の1時間だけプログラム練習に費やした。10時くらいから混み始め、それからはスケーティングやジャンプの練習を2時間してあがった。ジャンプ・スピンもリンク中央では可というのがありがたいのだが、プログラムにある、フリップ→トゥループ→ホップを入れて→サルコウ(ジャンプは全てシングル)というシークエンスをしていたら、初心者の方の前に割り込んでしまい、そのあおりで転倒させてしまった。接触はしていないのだが、多分、私を見てバランスを崩したのだと思う。そういう迷惑をしないように注意しているつもりなのだが...プログラムを意識していると、どうも周囲が見えなくなる。貸切中でももちろんだが、特に、初心者の方々も滑る一般営業中には、リンクマナーに気をつけねばと反省した。私の場合、このあたりに課題があるような気がする...。一応、ジャンプ・スピン可のエリア内でのことだったのだが....でも、配慮は欠かせないだろう。

豊橋での練習を終えたら、東神奈川のアイススペースまで足を伸ばした。数日前から気になっていたのだが、靴紐が切れ掛かっていたのだ。名古屋で購入できないか、練習仲間の方々やリンクへ情報を求めていたのだが、結局、現在履いているリスポートの純正品が良いだろうということで、取扱店であるアイススペースへ行くことにした。

靴紐は、馬鹿にならないパーツだと思っている。以前はいていた、オオタスケートの靴の紐よりも、現在のリスポート用の靴紐は、幅が広く弾力性も富んでいる。このおかげで、靴のホールド感がオオタスケートの頃よりも増しているように感じる。特に、靴を新調する前であった昨年のマスターズでは、本番前に靴を履いたり脱いだりを繰り返しているうちに、靴紐が伸びきってしまい、その状態で更にきっちり縛ったら足首が全然動かなくなってしまった。それで、思うようなスケーティングができなかったという苦い思い出がある。

昨年の演技は、何よりも、転ばなかったということで、私は満足している。でも、あの滑りは自分の滑りではなかった。足首が全然動かず、エッジに乗れずに力で滑っていたのだ。それは、悔しかった。だから、靴紐ひとつも馬鹿にできないと思うようになったのだが...。

事前に在庫の問い合わせをしてあったので、アイススペースでの買い物はスムーズに終わり、店員の方に紐の付け替えもしていただいた。また切れた時のために、予備も購入しておいた。新しいといっても、今までと同じ紐なので特に変化はないはずだが、せっかく東神奈川まで来たので、久しぶりにリンクに寄ってみた。相変わらずの盛況で、フィギュアの練習生やホッケー愛好者達がリンク内に、いくつもの縄張りを作っており、その合間を縫うように、無所属の愛好者や初心者の方々が周回するという格好であった。東神奈川は、もともとレッスンや教室が盛んなリンクなので、そういう文化でもあるのだが、ゴールデンウィークを利用して遊びに来た人たちが笑顔で帰るか...という点では、ちょっとキツイかなとも感じる。

その点では、中京圏の方が、初心者にも優しいのではないかとも思うのだが...。

ちなみに、名古屋では地元のクラブが合同で合宿を張っている(一部のクラブは関西に遠征しているが)。地域を問わず、このゴールデンウィークに、一歩でも二歩でも前進という気持ちで、皆頑張っているのだろう。

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

バナー

フォト
無料ブログはココログ