昨日、東伏見のダイドードリンコアイスアリーナで開催された第15回マスターズチャレンジカップに出場しました。最後の選手の演技が22時近くに終わり、それから帰途について、今(17日6時)に着きました(パーキングエリアで仮眠をとったので)。
結果から報告すると、10人中6位で入賞(8位まで)となり、表彰状をいただきました。
昨年は10人中8位でしたので、順位が二つ上がったのは嬉しいです。でも、得点が技術・プレゼンテーション共に2.2くらいで、昨年の2.0(くらい)に比べてあまりあがらなかったのがショックでした。演技時間を1分から2分30秒に増やし、ジャンプやステップの数と種類も増やしてもらったので、2.5点を越えることを期待していました。でも、昨年からの大幅アップとはならず、前に滑走していた方々が3点を越えてきたので、得点を見た時にはちょっと落ち込みましたし、「これだけ練習してもダメなのか...」と限界も感じました。
ただ、着替えのために戻って少し落ち着き、ジャッジの先生方が何を要求しており、自分はなぜそれに応えられないかを理解しないといけないと、考え直しました。評価されないのには理由がある、それは社会生活をしていて、とことんわかったことです。ならば、教えてもらえるものならば教えてもらう、自分で気づかないといけないことなら考える、そう思い、帯同して下さった先生のところへ戻りました。
ちょうど、私達のグループの最終滑走のkemeさんの演技が始まるところでしたので、先生と一緒に観ました。彼の演技には先生もびっくりしたようで、滑りのなめらかさと空中で軸がとれるジャンプ(トゥループとサルコウをダブルで降りたと記憶しています)に感心していました。マスターズがこんなにレベルが高い大会だと思わなかった、ともおっしゃっていました。
その後で、私の演技の反省会をし、トゥジャンプとループジャンプの踏み切りが両足荷重になっていること、ストレートラインで苦手なステップ(ブラケットとループ)で失速してしまうことが得点の伸び悩みの原因ではないかと教えてもらえました。
あと、いわずもがななのですが...スピンの失敗と最初のジャンプ(シングルアクセル)がスリーになったことは、私の方から先生に言いました。スピンは、頸への負担が大きすぎて、日ごろから練習できないことは先生に言ってあります。やりすぎると次の日に起きることができないくらいめまいが起こるのと、シット姿勢で回ると頸が痛むのです。頸部周囲の筋肉を増やして、少しずつスピンも練習できるようになっていますが、かなり慎重にしています。頸は大事です。
なので、スピンができない分点数が出ないのは覚悟のうえですが、それでも...(一応)シットに入るところで前向きに転んでしまい、あれは残念でした。練習不足のバチかもしれません。曲かけ練習では、ヘロヘロながらも3回は回ってからアップライトに変化できていたのですが...。
あと、最初のジャンプの失敗は、自分でも許せないタイプのものです。ああいう失敗はいかん!!反時計回りのモホークからアクセルに入るところを、間違えてトゥループの入りになってしまい、パニクリました。多分、気持ちを落ち着けようと、コールされる前にトゥループを一回跳んだのがまずかったと思います。このジャンプが一番好きなのですが、今回のプログラムではコンビネーションのセカンドでしか入ってません。なのに、前の演技者の得点表示の間に単独で跳んだりしたので、最初のジャンプで混乱したのだと思います。
プログラムに予定されていない動きは、演技直前にすべきではない。
考えても、自分に腹の立つ失敗ですが、良い勉強になりました。もっとも、シングルアクセルは、まだツーフットでしか降りれないので、いずれにしても課題は残ったままです。なので、この失敗がなくても点数はあまり変わらなかったと思います。
とにかくファーストジャンプはきちんと降りる。この重要性を思い知りました。
マスターズの素晴らしいことですが、世界選手権でのレフェリーのご経験のある先生方や国際審判で現在も活躍されている先生方がジャッジして下さいます。そして、レフェリーの先生が演技後に控え室で一人一人に講評をして下さるので、非常に勉強になります。
昨年同様、私達のグループは杉田秀男先生がみて下さり、私の演技も講評して下さりました。その後でもお話(フィギュアスケートでのジャッジングの観点など)を個人的にうかがう機会もあり、そこでも私の演技の課題を追加で指導してもらえました。
特に言われたのは、フットワークの悪さです。腕では一生懸命表現しようとしているのはわかるが、脚がそれについていってない。全身で曲を表現することは大切だし、たとえ技術では選手達に劣っても、曲の表現は大人でもできるはずである、と言われました。
そのためにも、正確なエッジワーク、クリーンなスケーティングは大切であり、プログラム中に両足で滑る部分が多いのも気になったとのことです。
これらのことは、”アフリカンシンフォニー”の練習中に自分でも課題としてあげていたことですが、全然できてなかったんだなと、ホロ苦い思いで聴いておりました。でも自分が感じていた課題と、杉田先生(2005年までISUのレフェリーで、現在も審判をチェックする仕事をISUから任命されているーWikipediaによるー先生ですよ)が言われたことが通じているようで、少し嬉しかったです。
ジャンプに関する課題と併せ、インストラクターの先生と相談していけると思います。その意味でも、今回、インストラクターの先生に帯同して頂いたことは本当に良かったです。
その他、リンクを一杯に使うこと、ジャンプだけでなくスケーティング(フットワーク)やステップ、プレゼンテーションの質を上げて、プログラムをパッケージとして評価されるようにしないと点数は低くなること、難易度の追求はやはり大事であるがその前提としてクリーンな技術が求められること、そういうことをジャッジはみているとも教えていただけました。そして、聴いて感動する曲とフィギュアで感動が伝わる曲は異なることがあるそうです。自分の技量に合わせた曲を選ぶこと、空間を通して相手に伝える思いを持つことが大切ともおっしゃっておられました。
もちろん、私の頸のことは杉田先生はご存知ないはずですが、それでもスピンのマズさには触れられなかったのは、先生の優しさかなと思います(指摘するのが可愛そうなほど、ひどかった...泣)。頸部の故障は整形外科の先生とも相談していますので、できる範囲で、頑張っていきます。
正直に言うと、もともとスピンは嫌いだったので、怪我を言い訳にしている部分もあるかもしれません。A様(元クラブの先輩で、現在は名古屋在住、今回マスターズにも参戦)に話したら、自分は酔い止めを飲んで練習しているとのことでした。「負けた! この人には勝てない...」と思います。もちろん、頚椎ヘルニアがある以上、私は無理しませんが。
あと、杉田先生からは、アフリカの雰囲気を出そうという衣装や演技の意図はわかったと言われました。「でも、足元が...」とのつながりなのですが、振付からニュアンスを理解して表現するのは自分ですので、その自分の努力はある程度、実を結んだのかなとも感じます。振付では、動作や滑走コース、各種エレメンツの内容やリンク上の位置取りについて教えていただくだけです。「ここはこんな気持ちで...」とか、「こんな雰囲気で...」というようなニュアンスとか意図に関する指導は受けておりません。大人ですので、曲や振付の解釈は自分でするのが一番だと私も思いますし、おそらく先生も私に任されたのだと思います。
今回の演技では、自然の営みと人間のプリミティブ(本源的)な動きを意識していました。それが、演技が雑になった原因かもしれませんが...。でも、練習中はとても楽しかったし、昨日の本番中も、無心に演じていました。
というか...真っ白だったのですが...(汗)。
最初のジャンプでパニくったので、「まずい、次転ぶ、ルッツ降りれない...あれ、おりちゃった...あ、じゃぁ次のサルコウで転ぶ...あれ? あれ? とにかくストレートラインに入らないと...(ストレートライン中)...やけに会場が静かだな、みんな白けちゃったのかな...それでもやんないと...」と、ものすごくネガティブモードでした。
それでも転ばずに済んだので、「よーし、ラストまで!!」と気を取り直して、シット(仮)に入ろうとした瞬間に両膝を突きました。「あ!」と本当に声を出してしまい、後悔した時には、最後のジャンプシークエンス(フリップ→トゥループ、ホップしてサルコウ)をやってました。
よくわからないのですが、心は乱れていたのに身体は動けたのは、練習のおかげかもしれません。とても嬉しいです。心身ともに充実して演技できるとは限りませんので、常に悪コンディションを想定して練習していました。もちろん、基本的にはポジティブシンキングなのですが、悪いときにも悪いなりに滑りきれるのも練習成果だと信じてます。
身体的には、とてもコンディションが良かったです。もちろん、仕事や移動の疲労は感じていました。でも、それは仕方ないです。当日午前3時からの貸切練習もしましたが、地元で顔なじみの子達が、お母様方と一緒に参加しました。わざわざ東京まで来て1時間半の貸切に乗るのって、子供達にとって意味があるのかな...とも思いますが、彼らの先輩(私と一緒にマスターズに出場しました)と私への応援も兼ねているということで、子供達もすごく楽しみにしていたそうです。
将来が期待されている子達ですので、長距離・夜間の移動→初めてのリンクでの曲かけ練習は、もしかしたら将来への良いシュミレーションになるかもしれません。なので、今年も敢行して良かったなと、つくづく感じます。来年は...お子様方の意見を聞いてから決めます。
もちろん、私も良い練習になりましたし、今年は出番が午後3時30分からだったので、2時くらいまで車の中で熟睡できました。ただ、打ち込んでいる今、気づいたのですが、運転席では脚を伸ばせずに寝てました。脚の疲労抜きでは問題があったのかもしれません。それは、来年の懸案とします。そうだとしても、昨年に比べればコンディションはとても良かったです。昨年失敗した、靴ひものトラブルも今年はなく、思いっきり滑れました。
やはり、5分間練習では緊張が先走りましたが、途中で先生のところに行き、「緊張しているみたいです。落ち着いてやります。」と話すことで落ち着くことができました。やはり、心強かったです。
振り返ってみると、収穫がとても多い大会でした。他の方々と同じ2分30秒のプログラムで10人中6位ですので、今の私の実力は、この組のアヴェレージのやや下ということだと思います。残念な結果ですが、昨年からはアップしてますので、来年も同じようなアップを目指していけたらと思います。
具体的には、順位5位、得点で2.5点が目標として現実的だと思います。このクラスの上位と中位とは点数に少し開きがあるようですので、4位以内は結構大変だと思います。でも、目標はノルマではないので5年・10年後を考えながら楽しみにしていきたいです。
大会運営に携わって下さった方々、審判役員の先生方、帯同して下さった先生、会場やネットで応援して下さった皆様、そして一緒に参加した方々、多くの人たちに感謝します。
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