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2009年1月 3日 (土)

ダウングレードをめぐる、ある寓話

ある国で、ODAの一環として、よその国に橋をかけてもらうことになりました。

まずやってきたのは、ヨーロッパの職人です。

「私達はあまり技術がないから、ちょっと遠回りになるけど川の上流に短い橋をかけますね。でも、美しい橋にします。」

それは、長さは50メートルくらいですが、欄干いっぱいに彫刻をほどこした、とても美しい橋でした。出来栄えも立派です。

次に、韓国の技術者がやってきました。

「私達には最近勉強した技術があります。長い橋もかけられます。」

そして、下流に、人々が行き来するのに便利な橋をかけてくれました。100メートルは越す長い橋で、しっかりとした造りです。でも、建築の教科書に載ってそうな、面白味の少ない橋でした。

最後に、日本の建築会社がやってきました。

「私達には、技術も経験もあります。夢のような橋をかけてあげましょう。」

そう言って、険しい渓谷に長い長い橋をかけてくれました。一つは川の流れと反対にS字を描いたルッツ橋。それに続けて渦を巻きながら対岸の山へと向かうループ橋もつなげてくれました。ところが、資金難と資材不足で、ループ橋の出口は陸地とつながっていません。

日本人はこう言いました。「橋脚がしっかりしているから、これでも崩壊することはありません。つながっていないのは、ほんの1メートルですから、最後はピョンと飛び越えてもらえばいいでしょう。」

その国の人々は、韓国の橋は喜んで渡り、便利になったとお礼を言いました。また、ヨーロッパの美しい橋も、遠回りをしてでも見物に行きました。でも、日本人のつくった橋には、こわがって寄り付きません。

なぜ、冒険をおかし、技術を尽くしたのに、誰も喜んでくれないのだと憤る日本人に、スイスの賢者はこう言いました。

「向こう岸にかかっているからこそ、橋なのだよ。」

※ この日本人とは、誰でしょうか?

  私達のよく知っている、Maoではありません。確かに、彼女は日本人です。でも、既に彼女は世界中のファンから愛され、ステレオタイプな日本人の枠を越えたアイドルです。だから、彼女ではありません。きっと、Maoはわかっています。

 ならば、もうひとりのMさんでしょうか?彼女でもないと思います。逆風を揚力に換える翼を彼女はもっています。だから、彼女も課題に取り組み、克服すると思います。

 この日本人とは、私達ひとりひとりだと思います。現実的な考えを忘れ、自分の期待で評価を求める時、おうおうにして本質を見失うことはないでしょうか?たとえ鈍くさくても、見栄えはしなくても、向こう岸まで橋をかける努力はせねばと願うものです。

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コメント

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。とうとうオリンピックシーズンになりますね。わが娘はこのままがんばれば、ソチのシーズンに音大受験になります。今のジュニアの選手達がオリンピックに向う気持ちのように頑張っています。今年も、ねくすとさんならではの情報や文章を期待しています。

さっちゃんママさん、おはようございます。
本年もよろしくお願いします。

娘さん、だんだんと道が整ってきているのですね。
音楽は、人が生きるにはなくてはならないものだと思います。水と空気と同じように、音楽もかけがえのないものだと私は思っています。

娘さんが是非、音楽に携わる人生を歩まれることをお祈りしています。応援してます!

>>今年も、ねくすとさんならではの情報や文章を期待しています。

ありがとうございます。
今年はちょっと頑張ってみようかなと思っています。

本来ならプロがすべき仕事なのですが、フィギュアスケートの世界においては、健全なジャーナリズムがあまり育っていないように感じています。
現在、ホットな話題であるダウングレードにまつわる議論にしても、なぜ、ジャッジは厳しく採るのか、その理由を論じた報道は見たことがないです。そもそも、本当に今年になって急に採点の傾向が変わったのかも検証されていませんし...。

ちょっと厳しめな意見ですが、スポーツライターがファンと同じように「頑張ったね、がんばったね、良かったよ」の感想で紙面を埋めるのであるなら、プロとしてどうなのかな? せっかく取材の権利を持っているのに、それを生かしきっているのかな?と不満に思います。

ファンが求めているのは、「なぜ?」の疑問を埋めてくれる情報だと思います。そこに十分な情報がないから、フラストレーションがたまり、憶測だけが先走るようにも思えます。

私もプロではないし、自分も滑る立場なので、取材やインタビューはできないのですが、せめて、自分なりにできる範囲で情報発信したいと思います。でも、なるべく、一方的な意見ではなく、応援している方々の気持ち、たとえば、好きな選手が厳しめな採点で伸び悩んでいるのを目の当たりにしている方の気持ちも、感じながら文章をかけたらと願っています。

ちょっときつい表現もあるかもしれませんが、なるべく(努力しますので...)読みやすい文章を心がけますので、これからもよろしくお願いします。

ホっと一息つきたい時にのぞいてもらえるようなブログになるといいな...と感じてます。

6点満点時代、

「回転不足のトリプルジャンプ」と「回転が足りているトリプルジャンプ」が同じような評価を受けていることに疑問を持っていました。

当時のルールブックにも「質の悪い3回転は、質の良い2回転より高く評価してはいけない」という一文があったんですね。

新採点「コード オブ ポインツ」の「ダウングレード」(回転不足の時に、回転数を少なく判定する考え方)はその疑問に応えた物だと思います。
なので、私は妥当だと思っていました。


でも、最近・・・・こうも思うんです。


回転不足に対する剽悍の考え方として、「4回転の回転不足」と「3回転の回転しすぎ」とでは、考え方も評価もまったく異なります。
回転不足ですから、何らかの減点をすること自体は賛成なんですけど・・・・、1/4回転以上足らなかったために、回転数を減らすことが果たして正しいのか(不足のしかたにもよるんでしょうけど)。


私の中でも結論は出ていません。


スピンとかステップのレベルのダウングレードは、妥当だと思いますけどね(要件を満たしていないという意味で)、

>回転不足に対する剽悍の考え方として、

すみません。
「回転不足に対する評価の考え方として、」
です。

yuujiさん、おはようございます。

コメントをありがとうございました。
回転不足のダウングレードの減点(いわゆる二重減点)については、私は肯定的にとらえています。でも、これで点数が伸び悩んでいる選手のことを憂いうる方々の気持ちもわかります。採点傾向についてのアナウンスが、ISUや各国の連盟からどのくらい選手サイドに届いているのかがわからないので、ファンも応援している選手の心境を推し量って、やきもきしているのではないかと感じます。

全日本でも、同様な採点傾向がみられましたので、おそらくは、日本人ジャッジから選手サイドに、採点基準に関する説明や対策への促しの情報は行っていると思うのですが...。このような時のために、日本からもISUジャッジを積極的に養成するようにしたのだと理解しています。

>>当時のルールブックにも「質の悪い3回転は、質の良い2回転より高く評価してはいけない」という一文があったんですね。

すみません。これは、知りませんでした。
でも、すごく妥当な見解だと思います。挑戦への勇気は讃えなくてはいけませんが、結果を伴わない技術を高く評価することはできないと思います。

ダウングレードとGOEの両方での減点は、高難度の技への挑戦の意欲をなくすとの批判もされますが、これは高難度ジャンプを跳ぶ側の言い分だと思います。技の正確性や美しさも評価の対象となるのであれば、難度を落としても確実な技をきちんと決めるという戦略もありますし、「私はきれいな2回転を降りているのに、無理やりな3回転と同じに見られるのは心外」との意見もあるかもしれません。

必ずしも、2回転が3回転より劣ったり、3回転は4回転よりも低く評価されるものではないと、私は思います。

>>回転不足に対する評価の考え方として、「4回転の回転不足」と「3回転の回転しすぎ」とでは、考え方も評価もまったく異なります。
(追加のコメントをいただいたので、文面の一言を修正させていただきました)

そこが悩ましいところだと思います。
頑張れば4回転ができる、あるいは本人にその気持ちがあるというポテンシャルの部分をジャッジがどう評価するかなのかもしれません。「愛のアランフェス」というマンガを読むと、昔の採点ではそういう選手の意図の部分は評価の対象になったようです(マンガなので、現実でもそうなのかは自信がないですが...)。

>>1/4回転以上足らなかったために、回転数を減らすことが果たして正しいのか(不足のしかたにもよるんでしょうけど)。

>>スピンとかステップのレベルのダウングレードは、妥当だと思いますけどね(要件を満たしていないという意味で)

見方によっては、ジャンプの回転数認定の要件に「1/4を越えない回転不足まで」というのがあり、この要件に満たないという理由でダウングレードがされているのかもしれません。資料室の情報によれば、1/4 以内であっても、回転不足はGOE減点の対象になるようです。回転数の認定はされると思いますが。

この判断の言いたいことは、「前降りは駄目」ということだと思います。常識というか、人情で考えれば、3回転半以上ならば4回転の方に入れてあげてほしいと思います。360度と0度との間で考えるなら、270度までは360度の方に入るのに、260度では0度になるというのでは、「そりゃひどくないか?」と、私も感じます。ただ、フィギュアスケートでは、アクセル以外の半回転はどうしても認めたくないという心理もあるのではないでしょうか?

私も、前降りは危ない、ジャンプとして認めたくないと思ってしまいます。これで膝を怪我した人を何人か知っています。だから、フィギュアの世界では、180度<0度(=半回転なら跳ばない方が良い)なのかも、と考えています。

そうすると、3/4(270度)よりちょっとだけ足りなくても、明らかな前降り(180度)でも、足りないものは足りないとせざるを得ないのかもしれません。本来は、1/4以内(270度以上~360度未満)でも回転不足は減点対象ですし...。

しかし...分度器かデジタル処理で角度判定をする計器でもなければ、ジャッジできる世界でもないように思えます。最後は、ジャッジを信じるか、批判的に向き合うかの問題でしょうか...?審判批判もファンの権利と思いますので、アリかもしれませんが。

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