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2009年1月22日 (木)

片足で滑るということ(その2)

「片足で滑ること」というエントリーが、こちらにもあります。

最近、自分の滑走をビデオに映してもらっているが、それを見て思うのが「高木ブーにそっくりだな...」ということだ。ブーさんは、私も好きな芸人なのでそれ自体はショックではないが、以前、2ちゃんねるで私の容姿などについてさんざんな言われ方をされたことがちょっと気になっている。一昨年前の目撃情報なので、どの場面で私を確認したのかはわからないし、目撃されたのが本当に私だったのかもわからない。でも、書き込みを読んでいて別人とは言いがたいとも感じていた。かなり傷ついたが...。

ただ、容姿で勝負しようと思うのなら、40歳間近からフィギュアスケートを始めようなどとは思わない。体型についても、ある程度の努力はしているが、痩せないのなら仕方ない。「自分のできる範囲で頑張る」がモットーなので、今の体型を劇的に改めることは目指していないというのが、正直な思いだ。なので、ネットに動画をアップすることをしないのが吉だということはわかっている。何も、自分から批評の燃料を投下することはないのだから。

それでも、メリットもある。大人初心者のレベルで練習の目安となる映像があれば、同じように練習する人の励みやイメージ作りに役立つと思うのだ。練習のためのイメージを作る映像と言えば、DVD付きの教則本が山田満知子先生の著書で出ていた。ところが、現在は、amazonでは新品の流通はないようである。最近、東京女子体育大学の大森芙美先生の監修による「華麗に舞う!魅せるフィギュアスケート50のポイント」という本も出たが、あまり初心者向きではないと思う。見開き1ページでひとつの技の紹介をしているが、それぞれの技に共通して必用な事柄、例えば、片足滑走とか、上半身の安定、身体の捻り動作について検討している部分がそれほどないように思えるのだ。これらについては、本の終わりの方でオフアイストレーニングとして扱っている部分もあるが、氷上での動きとの関連はあまり書かれていない。

技以前の基本動作について、氷上で考えなければ、いつまでたっても「出来ない」ままで苦労する人もいるのではないかと思うのだがどうなのだろう...?

このブログを始めたきっかけも、その思いからだった。大人初心者のために、大人の視点からフィギュアスケートの技術を考えてみたいというのが、このブログの原点である。昨年12月からは、観る側からのエントリーも増やしていくように方針を変えたが、技術について考えていくという試みは、今後も続けていきたい。でも、文章だけで表現することには限界を感じてもいる。やはり、画がないと、読んで下さる人もわかり辛いのではないだろうか。絵心のない私では、グラフィックで説明することは無理だ。そうなると、モデルを使っての写真や動画となる。誰がモデルになってくれる...? 自分しかない。

だから、自分の滑走を動画で掲載するしかないと思う。

リスクはかなり感じるが、まずは試みてみようと思う。自分の滑走なので、正直、マズい部分や見本にならないところも多々ある。そこは、文中でも指摘したりして、反面教師になるように工夫していきたい。上手な滑走の見本を出したいのではない。そうではなく、大人初心者にとって、大切な部分を抜き出した動作を記録にしたいのだ。例えば、このようなものなのだが...。

容姿と体型については、自分でもよくわかっているので、突っ込まないで下さい。

なんということはない片足滑走だが、これがフィギュアスケートの基礎だと私は感じている。まっすぐ、片足で滑ること。これができないと、ターンやステップ、あるいはジャンプ・スピンでとても苦労するように思うのだ。とにかく、片足でバランスをとれること、このスキルに特化したスポーツがフィギュアスケートとも言えるかもしれない。フィギュアスケートで、両足に重心をかけて行う技は、トゥジャンプの踏み切りとスプレッドイーグル、それとイナバウアーくらいではないかと思う。他は、瞬間的には両足を氷に着けるが、常時片足でバランスをキープするのがフィギュアスケートのような気がする。

でも、たいていの教則本は、片足バランスの重要性についてはあまり触れていない。どんどん先に進んでしまう。これは、リンクの教室でも同じような感じを受けている。多くの読者や生徒を想定しないといけない世界では、それに合わせた進度が設定されているので、技以前の動作について、細かな説明をしているゆとりはないのかもしれない。でも...氷の上でバランスをとれることの大切さは、私は強く伝えたい。

例えば....。

息も絶え絶えというか、見ているだけで暑苦しい動きではあるが...スミマセン。

この時の撮影では、私が普段の練習でルーチンで行っているフォアスケーティングの動作とセミサークルを撮っていただいた。フォアスケーティングは、全て、Dydoのロゴのところから始め、1周半して撮影者の前で終了という形をとった。リンクの一般営業が開始した直後から、リンクが混み始めるまでの30分間で撮影したので、全ての動作が一発撮りだった。ほとんど、ゲリラ的な撮影とも言えるかもしれない。

そんなあわただしさの中だったので、動画の左フォアでのスネークは、1周したあたりで失速して、そこから半周したあたりで止まってしまい、撮影者のところまで戻れなかった。でも、私的には、とても大切な画を撮ってもらえたと思う。

”失速しても止まらない”

これは、フィギュアスケートの極意かもしれない。片足スネークで、ダイドーのロゴまでで周回コースを1周したが、コカコーラのロゴのあたりで、小さな女の子を避ける間に失速してしまった。でも、そこから半周近くは、青息吐息ながらも前へ進んでいる。すぐにはバランスを崩さなかったのだ。そして、無理にでも推進力を得るために、身体の左側に軸をとり、頑張って左右に捻っているのを認めていただけると思う。他の滑走者の方々の顔の映り込みがあったため、編集してあるが、失速から左軸の動きでかろうじて前へ進んでいる距離は結構あった。

もしも、身体が元気ならば、膝や足首をもっと動かして更に推進力をあげていけるのだが、周回を1周以上したら左足から臀部にかけて痛みを覚え、ほとんど棒立ち状態になっていた。なので、膝の屈伸が全然使えていない。それでも、捻り動作だけで推力を得られ、片足でのバランスを保てることは、私にとっては非常に大きな発見だった。普段は何気なく行っている動作だが、映像で見て再確認できたのだ。

もう少しだけ例を見ていただけたら...と思います。

コンパルソリの練習中に、初速(蹴り出しの速さ)よりも、終速(反対の足に蹴り替えをする直前の速さ)の方が速い感じがすることがあったのだが、この動画を見て、半円の後半に足を前に出すと、わずかだが速度が増すように見える。初速<終速というほどに顕著ではないが、少なくとも減速はしていないと思うのだが...。(ただ、この映像では、反対の足に蹴り替えをする時に、”基本姿勢”ー両足を後ろT字にして直立するーに戻していないので、その点はコンパルソリとして正しくないことは、記さないといけないと思う)。

セミサークルの滑走中は、蹴り出しの時に得られたエネルギーが、カーブに合わせた身体の捻りや重心の乗せ方の微妙な変化によって、推力に変わりやすくなっているのではないかと、私は考えている。エッジが氷を削って摩擦として減衰しないように、絶えず氷を気遣いながら滑ることにより、小さなエネルギーでも推力に変換され、そのおかげで片足バランスが保たれているとも言えるかもしれない。

片足でバランスを保つためには、エッジと氷との関係を感じながら、身体の軸と捻りとを上手にコントロールすることが求められると思うのだ。エッジコントロールや身体の捻りと、氷上でのバランスとの関係が上手くいくと、氷から力をもらっているような感じになる。これは、私の感覚なのだが...でも、氷と仲良くなれると、誰でもスケートが楽しくなると思うのだ。練習していると、きっと感じる時があると思う。(赤字 '09年1月24日追記)

最初に挙げた、右片足での滑走も、右腕を前に出すことで右肩と右下半身(=スケーティングレッグ)との間に、少しだけ捻りの関係をつくり、それによって安定を図っている。捻りをつくると軸が安定しやすいと思うのだ。もちろん、両腕を開いて捻りができない状態でも片足滑走はできるが、こちらの方がエッジコントロールは難しいように思う。

この、捻りを上手に使うことで推力を得ることは、片足でのスリーターンでは、ひとつのコツになると思う。スリーターンで捻る、捻らないというのは議論の対象となるが、捻る方がターンしやすいというのは共通の認識があるのではないかと感じている。捻ることに頼りすぎるとエッジコントロールが疎かになるという心配もあるが、捻りがある方がターンの軸は安定しやすいと思うのだ。

なので、片足スリーターンを考えるのなら、やはりセミサークルの練習は欠かせないと思う。セミサークルは、単に片足で半円を滑るだけではない。カーブに合わせて上半身のローテーション(捻りや戻し)が重要になる。これがタイミング良くできると、滑走中に推力を失うことなくスムーズに、ロングアクシスに戻れると思うのだ。このローテーションの感覚を覚えていると、無理なくターンに入れるような気がする。

長々と記しましたが、ポイントは次の二つです。

1.滑走中に捻りとエッジのコントロールを上手に行うと、小さな力でも推力を失わない。

2.体の捻りは、運動軸を安定させるのに大切である。

この二つを大切にすると、片足で滑走する時間を長くできるし、片足滑走がフィギュアスケートの基本でもあると考えています。

スリーターンについては、今後、また検討していきたいと思います。スリーターンの前提となるセミサークル(ハーフサークル)については、近日中にエントリーをアップできたらと考えております。文字だけのエントリーとしては、こちらがあります。

あと、普段行っているスケーティングの例として、両足のスネークとインサイドロールを挙げます。両足スネークは、片足よりも簡単だと思いますが、スネの前側の筋肉をかなり使います。いわゆる、”足裁き”に重要な筋肉ですので、片足スネークだけでなく、両足スネークもルーチンでの練習に入れておくとメリットは大きいと思います。

インサイドロールは、東京でのスケート仲間の方に教えていただきました。「風呂の戸をガラっと開けるような腕の動き」がポイントとのことでした。このスケーティングも、捻り動作で推力を得るものだと思います。インエッジでの蹴りも重要ですが、弧(周回中ですので、半円ではないです)の後半で、捻りで貯めたエネルギーを推力として解放させていく感覚が大事だと感じています。グイグイと進んでいくのが楽しい練習ですが、コーナーでのクロスのタイミングを間違えると、エッジが氷から弾かれて転倒したりもするので、注意も必要です。慣れない時には、結構怖い転び方をしたこともありました。

動画を見て気が付いたのですが、背中側に回す腕が下がり気味になっています。これは、軸を保つうえでは良くないと思いますし、見た印象も悪いです。気をつけないといけないなと思いました。サルコウの踏み切りの時も、右腕が下がりがちになると先生から指導されますが、もしかしたら、同じ癖なのかもしれません。

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コメント

>エッジコントロールや身体の捻りと、氷上でのバランスとの関係が上手くいくと、氷から力をもらっているような感じになる。

これ、なんとなくわかります。

IN、OUTの使い分けと、膝の屈伸、上半身のひねり、
全てのタイミングが一致すると、
ぐんと滑る感覚があります。

ああ、
今、エッジに乗れたなぁと感じる瞬間ね。

この感覚がわかるようになると、スケート楽しくなります。

先生は、まだまだだと仰いますが(笑)

yuujiさん、こんばんは。
コメントをありがとうございました。

今週はずっと仕事の追い込みで職場に缶詰になり、ブログのフォローができずにいました。お返事が遅くなってすみません。

>>今、エッジに乗れたなぁと感じる瞬間ね。

なかなか難しいのですが、これを感じることは、やはり大切ですよね。

>>先生は、まだまだだと仰いますが(笑)

浅田真央選手だって、タラソワさんに駄目出しをくらっているのでしょうし...。「いくつになっても、親は子のことが心配」じゃないですが、”十分”とか”完璧”とは言ってくれないのが先生じゃないでしょうか。特に、エッジコントロールはそうかな...と。

でも、先生に褒めてもらえると、やっぱり嬉しいですが...。エッジに乗るというのは、永遠の課題かなとも思います。

また、よろしくお願いします。

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