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2009年1月 2日 (金)

テレ朝チャンネルのグランプリシリーズ集中放送の感想

1月1日のエントリーでも紹介しましたが、5日までCS放送のテレ朝チャンネルでグランプリシリーズ全試合(NHK杯除く)を集中放送しています。

録画しながらちょこちょこ観ていますが、すごく良い試みだと思います。昨シーズンも同様の形態はあったと記憶していますが、ノーカットで一部分は場内録音のみになっています。もちろん、地上波の放送で使った箇所は、実況や解説は入ります。でも、エキシビションは場内の音のみなので、とても観やすく、聴きやすいです。

基本的に、私は実況や解説はあまり気になりませんし、フジテレビの塩原アナウンサーのポエムにも好意的です。今シーズンの全日本での「私の名前は浅田真央!」には、そうだ、そうだ~と思ってしまいました スミマセン。それに、塩原アナは昨シーズンの世界選手権の頃から選手の息遣いに配慮しながら実況をできているようにも感じます。

でもエキシビションでは、そういうのがない方が良いと思います。戦いの後の楽しみなので、ただ、演技を観ているだけで満足です。地上波ならば視聴率のしばりがありますので、キャッチーなコピーや映像が入るのは仕方ないと思いますが、有料のCS放送で実況・解説なしのエキシビションを観られてとても嬉しいです。アイスダンスでは、木戸章之さんが解説をしていました。滑りの良し悪しについて丁寧に(というか、細かく...)解説され、スケーティングの練習のうえでとても勉強になります。ただ、実況アナが完全に聞き役に回り、木戸先生のスケーティング教室という感じで中継が終始して、実際の演技の流れや盛り上がりと離れた感じになっています。カナダ大会でスタオベ演技だったディビス・スコット組のFDもダメ出しに終始してたし...。そこのところは、ちょっと残念ですが、ダンスの全選手のODとFDをやってくれるのは、とてもありがたいです。更にコンパルソリーダンスもというのは贅沢でしょうか...?

とにかく、今回の一挙放送は、G.J.!と言いたいです。

明日(1月3日)からはフランス大会の放送が始まります。エキシビションの雰囲気では定評のある大会ですので、とても楽しみです。放送スケジュールはこちらにあります。明日と言っても、男子は午前1時過ぎから放送が始まってしまいますので、注意が必要です。

このような、地上波と別枠(おそらく想定している視聴者層も別枠)の放送をしてくれるのは、今後に夢が持てると思います。過去のブログでも申しておりましたが、コアなフィギュアファンと一般のスポーツ関心層とは、中継の見方が異なるのではないでしょうか?ファンにとっては邪魔な部分が一般の方々には目を惹いたり、ファンにとってこだわる部分が一般の方々にはどうでも良かったりすることは、どのスポーツでもあると思います。なので、それぞれの視聴者層に合わせた、複数の放送スタイルをとるのが理想だと思います。

幸い、フィギュアスケートはコンテンツの使いまわしがしやすいスポーツです。良い演技ならば何度でも観たい、結果を知っていても再放送を楽しみにできる、稀有なスポーツでもあります。野球やマラソンではなかなかできないことだと思います。サッカーなら、Jスポーツではスペインサッカーの名門チームの過去の試合を放送したりしていますが、全試合というのは無理だと思います。でも、フィギュアスケートではそれが可能ですので、地上波とは時差をつけて、コアなファン向けの放送を、視聴率の縛りの少ないメディア(CS放送がそれにあたると思います)で行うのが、やはり良いのだと感じております。

更に、テレビ朝日ではサイトでのネット配信も行っております(サイトはこちら)。これは、地上波、BS、CSに続く第4のメディアと言えるかもしれません。コンテンツは限られていますし、いつまでこのサイトが続くのかもわかりません。しかし、テレ朝はtv asahi bbという動画サイトも開設しています(リンクはこちら)。こちらには、フィギュアスケートはアップされていませんが、今後の動向は期待しても良いのではないでしょうか?

”お金さえ払えば、見たい選手の演技がいつでも見られる”という環境になりつつあります。

これを肯定的に考えるか、あるいはコマーシャリズムに傾きすぎていると警告をもって受け留めるか、両方の考え方があると思います。私は歓迎する思いですが、やり過ぎによる弊害には注意する気持ちは持たないといけないと思います。何より、コンテンツが氾濫すると選手の演技への感謝の気持ちが薄れる可能性があります。頑張って練習しているからこその演技ですので、二次元世界での使いまわしが過ぎるのも問題だと感じます。

でも、NHKのように、豊富なコンテンツを死蔵させても何にもならないとも思います。NHK杯の貢献は私も感じますが、30周年を期にやっと一部を紹介してくれただけです。今後も、CS放送を持たないNHKでは、電波でコンテンツの再放送を繰り返すことは期待できないでしょう。NHKオンデマンド(サイトはこちら)の特選ライブラリーに過去のNHK杯の放送が組み込まれるのを待つしかないと思います。それでも、BS放送では年末にNHK杯の再放送をしてくれましたので、今回のテレ朝チャンネルと同じ努力は、BSの枠内ではNHKもしていることは認めないといけないとは思います。問題は、過去の蓄積であるアーカイブスをどのような形で出してくれるか?です。

違う考えの方も多いとは思いますが、多チャンネル化に対応しやすいという意味では、私はフィギュアスケートの放送が民放主体になった意義は大きいと考えています。大事なのは、選手一人ひとりの頑張りの結晶である演技を、いかに大切にしていけるかだと思います。何度も見返して感動を重ねていくこともそうだと思います。過去の名演技を発掘するのも大切なことだと考えます。さらに、そのために支払ったお金が、選手達の強化への資金となれば理想的ではないでしょうか。

フィギュアスケートが市民権を得てから数年の蓄積ができました。今後は、市民スポーツとして裾野が更に広がり、誰でも観て楽しめ、誰でもトライできるようになり、その頂点であるトップ選手たちの強化と演技が守られる仕組みができてほしいものです。

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コメント

>幸い、フィギュアスケートはコンテンツの使いまわしがしやすいスポーツです。良い演技ならば何度でも観たい、結果を知っていても再放送を楽しみにできる、稀有なスポーツでもあります。

これはその通りですね!!本当にそう思います。

ただ、以前一般の人には「1回みればよくない?」と言われましたけどね(笑)

>でも、NHKのように、豊富なコンテンツを死蔵させても何にもならないとも思います。

これにはちょっと反論。

以前からNHKは、オリンピックの直前になると「プレイバックXX」と称して、過去のオリンピックの映像とかを放送してくれていました。

こんな企画があるのは、他の(地上は)放送局には無いことです。
(CSは有料放送なので別儀に考えるべきだと思います)

もちろん、
凄く古い映像となると、なかなか見ることが出来ないので、そう言う物がもっと出てくると嬉しいですけどね。
それは、今後のネット配信に期待でしょうか?

ちなみに、私は、
ジャネットリンの滑りが見てみたい。

yuujiさん、こんにちは。
シチ面倒くさい内容にも関わらず、読んで下さり、ご意見をいただけてとても嬉しいです。本当にありがとうございます。

>>ただ、以前一般の人には「1回みればよくない?」と言われましたけどね(笑)

いやいや...今朝も、フランス大会の真央選手のFSを観て涙を流しました。ジャンプ失敗で2位とわかっていても、「この演技があるから、NHK杯の感動があったんだ。真央頑張れ!」と思いいれをもって観てしまいます。

もっとも、この気持ち、一般の方々にわかって!と言う方が無理かもしれませんが...。やはり、結果重視、リアルタイム(多少の放送時間のズレはあったとしても)が良いという方々のためには、臨場感を醸し出す工夫が放送には求められるのでしょうね。

>>>でも、NHKのように、豊富なコンテンツを死蔵させても何にもならないとも思います。

>>これにはちょっと反論。

異論、反論、は大歓迎です。
私自身、「死蔵」との表現は迷いながら使っています。

>>こんな企画があるのは、他の(地上は)放送局には無いことです。

おっしゃる通りだと思います。
大きなイベントの前の集中特集は、やはりNHKの強みですよね。特にドイツW杯前の特番はとても勉強になりました。オリンピックや紅白歌合戦もそうだと思います。

ただ、昨年より前のNHK杯の時には、事前特集は組まれていましたか(これは、私の記憶違いで、あったかもしれません)? グランプリシリーズも、2005-6シーズンまではNHKの独占状態だったのですから、もう少し出してくれても良いのにと思ってしまいます。

>>それは、今後のネット配信に期待でしょうか?

NHKオンデマンドの今のペースでは、フィギュア関係の配信はかなり先になるかもしれません。”スポーツ大陸”でのフィギュア関係の番組もまだ配信されていませんので。

むしろ、NHKのコンテンツを民放のCS放送局に流してくれる方に期待しています。”プロジェクトX”などはその形をとっています。Jスポーツで、ジャパニーズクラシック特集(Jスポはクラシックと銘をうってアメリカのアイスショーや試合を流しています。クワンの演技もそれでみました)をやってくれると嬉しいです。

なんにせよ、マメな視聴者リクエストが大切なのかもしれません。ジャネットリンへのお願いも入れさせてもらいます。


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