« 今日から... | トップページ | バッジテスト1級を受験します »

2008年11月 3日 (月)

第25回西日本フィギュアスケートジュニア選手権大会 女子SP('08.11.2.)

困った...9月末の中部選手権3日目のレポートがまだ下書きのままで、もう西日本が始まってしまった。グランプリシリーズでもエントリーにしたいものがあるし...。

でも、速報性を考えれば、やはり今日観てきたことを先にエントリーした方が良いと思う。

本日('08年11月2日 日曜日)、大阪プール・アイススケートリンクで開催された西日本大会(シニアは第34回、ジュニアは第25回)を観に行きました。時間の都合で、ジュニア女子のSPだけの観戦となりました。

会場の大阪プールは、なみはやドームよりかはアクセスが良く、大阪駅から徒歩で梅田に行き、そこから地下鉄御堂筋線で本町、そして中央線で朝潮橋と行き、20分くらいの所要時間かなと思います。朝潮橋は地下鉄ですが線路は地上の高架となっており、駅の連絡通路から会場まではすぐです。

雰囲気はなみはやドームに似ていると感じました。大きなドーム型の屋根の下にリンクがあり、ジャッジ席に向かって右側に飛び込み台があります。会場は、ジャッジ席と反対側だけに観客入場が許され、ジャッジ側は報道関係者や連盟関係者が数人居た程度です。観客の入りは結構あり、観客用の席(ジャッジと反対側)は7割ほどは埋まっていたと思います。選手関係者だけでなく、一般のファンの方々も多かったと思います。

ジャッジ席に向かって左側(入場口方向)には電光掲示板がありますが、今回は使用しておりませんでした。演技中の時間表示と演技後の点数表示は、飛び込み台の下あたりにあるアイスホッケー用の表示板で行っており、採点される選手の演技終了時点での順位は得点とともに発表されますが、他選手の順位は一切表示されないため、順位の変動が全然わかりませんでした。特に私は11番滑走から観戦し始めましたので、その時点での上位選手がわからず、難儀しました。

第3グループからの観戦で、印象に残った選手達の演技を報告します。

<第3グループ>

14番滑走 中村愛音

 リンクサイドに門奈裕子コーチが付いていました。パンフレットのコーチも門奈コーチとなっておりますが、所属は邦和スケートクラブとなっています。

6分間練習から好調な様子で、3ルッツをきれいに降りていました。衣装は黒で中央に十字架があしらわれており、'05年世界選手権の荒川選手のFS(チャイコフスキーのロミオとジュリエット)に似た感じと思いました。曲は”レクイエム”。多分、モーツァルトの作曲だと思います。アレンジはわかりません(マキシムっぽい感じもしますが、確信はないです)。

冒頭から滑りが大きく伸びやかで、ターンも堂々としており、自信を感じました。そして3ルッツはきれいに決まり、バックアウトのスパイラルも安定して6秒間を保ち、大きな半円を描いていました。中部選手権で失敗した3F+2Tも決まりました。ただ、イーグルからの2Aでステップアウトし、その後のスピンは軸がブレてました。そしてストレートラインに入りますが、リンク中央のジャッジ席付近で輪を描くように少し逆戻りをし、堂々とアピールしていました。多分、良い印象をジャッジ達に与えたのではないかと思います。

フィニッシュのポーズの直後から歓声が沸きました。得点は、56.96で、それまで首位であった上野沙耶選手(チャルダッシュで3S+2Tを降りました)から13点を上回るダントツの1位に立ちました。

15番滑走 菊田実希

 ミッキーこと菊田選手の演技は初めてみました。福岡のパピオフィギュアスケートクラブの所属ですが、シカゴで練習している選手と記憶しています。あまり好きではないので、お母様(在米のスポーツライター)のブログは読んでおりませんが、菊田選手の演技にはとても良い印象を抱きました。

曲は”ダークアイズ”。編曲はトリノオリンピックでのコーエンのものとは違います。

どちらかというと、キャラメルボックスのようなカッチリした体つきですが、滑りは非常に軽やかで滑らかでした。梅田香子氏のブログ(それでも昔は愛読していました)によれば、トリノオリンピックでの金メダルペアである、トトミアニア&マリニン組と同じリンクで練習していたそうです。そういう環境の良さもあるのか、スピンの軸やポジション、ジャンプ(特に3S)の踏み切りなど基本的な技術がとてもしっかりしていると感じました。いわゆるアメリカ仕込みというのでしょうか。今後がとても楽しみな選手です。

ジャンプは2A(これは踏み切りから回転を急いでいた感じ)、3S+2T、2ルッツで、フィニッシュのポーズもしっかりと決めていました。得点は44.9点です。

16番滑走 松原彩華

 紫の衣装で、丈は短いですがフレアのあるスカートがきれいでした。演技開始のポーズが片足を軸足に交差(左右の脚の前後の位置を見逃してしまいました)してトゥを突き、両腕はゆるやかに左右へ伸ばしています。十字架につけられたキリストのような格好かなと感じました。曲は”Dance Macabre”、今年のキム・ヨナ選手と同じ、死の舞踏だと思います。中部選手権ではファーストジャンプは3Fだったと思いますが、今回は3ルッツ、しかも助走でバックスネークを2回ほど入れて踏み切ってました。あれは意図的にスネークをしたと思うのですが...。でも、転倒です。成功したらすごく盛り上がったのだと思います。転倒を引きずることなく、3S+2Loと2Aはきちんと降りました。スパイラルでは、バックアウトの時に片手ビールマンで、もう一方の手はヒラリ、ヒラリと2度ほどくねらせていました。片手ビールマンでもう一方の手のヒラヒラは、グランプリ東海の伝統なのでしょうか?続くバックインでのスパイラルは両手のビールマンで、この対比が面白かったです。

得点は転倒による減点が1.0あり、44.08点でした。

<第4グループ>

18番滑走にエントリーされていた延原友梨奈選手は棄権とアナウンスされました。

20番滑走 小松原美里

 岡山の選手のようです。長い手足を十分に伸ばし、とても美しい演技でした。スピンも軸がしっかりとれ、特にコンビネーションの終わりにもってきたスタンドスピンは非常に美しかったです。何気ないエレメンツを正確かつ美しく演技するのは、練習の賜物ではないかと思います。

曲は”Art On Ice” ジャンプは3S+2T、2ルッツ、2Aでした。ジュニア選手権の出場資格である、バッジテスト6級では女子はダブルアクセルまでを跳べれば良いのですが、上位にくる選手はトリプルを武器にしております。

演技後のレヴェランス(お辞儀)もきれいでした。「優れたダンサーはレヴェランスも美しい」と言われますが、それを地でいっている感じです。得点は、49.94 点です。

<第5グループ>

23番滑走 細田采花

 コーチの名前を見て、「もしや...」と思ったのですが、帰宅後ググってみたらやはり...探偵ナイトスクープで登場した子なのですね。コーチに宛てた手紙(浜崎あゆみの歌の歌詞を本人がコーチ宛てのメッセージに替えた)を拾った人の依頼で調査が進んでいったと記憶しています。番組でも関西大学のリンクで練習している姿が映っていましたので、有望とは思っていましたが、まさかこんなに凄い選手だとは知らなかったです。

6分間練習では、同じグループの村上佳菜子選手と見分けがつかないくらい、身長や雰囲気が似ているように感じました。衣装は、淡いパステルカラーの緑色のワンピースでした。曲は”Tchaikovsky Remix”とありますが、チャイコフスキーのどの曲を素材にしているのかはわかりませんでした。曲調は抑揚があまりなく、衣装とあいまって大人しい印象を受けます。

しかし、演技は高難度で、特にジャンプは3ルッツを降りたのにびっくりしました。コンビネーションも3S+2Tで、2Aは左バックインのスリーターンからただちに踏み切ったと思います。右バックアウトでの助走がないぶん、難しい入り方だと思います。

ストレートラインも、後半のチョクトゥ(だったと思います)でペースが落ちましたが、それまではステップも正確で非常に見ごたえのある演技でした。得点は、52.34点です。

27番滑走 村元哉中

 名前は”かな”と読むそうです。シニアの村元小月選手の妹さんのようです。

曲は”さくら”で、電子楽器の伴奏にバイオリンのソロが入るアレンジです。衣装も淡いピンクで曲の雰囲気にぴったりでした。

ジャンプは、最初の2ルッツでステップアウトし、おそらくここで予定していたであろうコンビネーションジャンプが入らず仕舞となり、2A(バックスパイラルからすぐに踏み切ったと思います)、3Sと続きました。 ストレートラインも丁寧に踏んでおり、各ターンで描く図形もおおきくはっきりしておりました。

得点は、46.12点です。

すみません。あと村上佳菜子選手だけですが、限界に近いので寝ます。続きは明日にします。本当にごめんなさい。(11月3日深夜1時記)

おはようございます。一晩寝て復活しました。このエントリーで報告しているジュニア女子SPの結果は、連盟のリザルトサイトでもアップされたようです。全日本ジュニアへの枠は、7で藤沢亮子選手が出場しなかったので、彼女プラス上位6名が通過となるのではないかとお世話になっている方からうかがいました。ただ、未確認情報であることをお含みおき下さい。その6位には上述の菊田選手となっており、そこから13位の渡邊真子選手までは5点差です。トップから3位までの中村、細田、小松原選手までは少し抜けた感じですが、4位の村上選手から20位の友滝選手までは10点の間に17名が接しており、誰が全日本のキップをとるかわからない状態だと思います。

延原友梨奈選手は、今年の6月に岡谷のアイスショーで元気な演技を観たので(ヴァネッサ・メイの”Choreography”というアルバムの一曲目のサブリナ ダンスだったと記憶しています)、棄権はとても残念でした。藤沢選手は棄権とのアナウンスはなかったので、ジュニアグランプリシリーズでの活躍が評価されて全日本は推薦枠をとれたのではないかと想像しています。今回観られなかったのは残念ですが、名古屋での全日本ジュニアを楽しみにしています。しかし...出場選手を考えると、シニア同様ジュニアもプラチナチケット化しそうな心配があるのですが、まさか...大丈夫だと思いますが...。

その藤沢選手と共に12月に韓国で開催されるジュニアグランプリ ファイナル出場を決めたのが、村上佳菜子選手です。2年前の西日本選手権では、撮影者用の大きなビブスを付けてお姉さんの友季子選手の演技をリンクサイドから撮影していた子が、本当に大きな選手になったのだなぁと、しみじみ思います。今回の大会もシニアのお姉さんと揃っての出場です。観客席のジャッジ席に向かって左側後方にグランプリ東海の選手達が応援していたようで、吉田美理選手の元気そうな姿も見かけました。おそらく友季子選手も一緒だと思います。

28番滑走 村上佳菜子

 6分間練習は好調で、高さのある3ルッツを堂々と決めていました。その後は、やはり高さのある1Aを繰り返し跳んでおり、踏み切り時の氷の感触を確かめているのかなと思います。

会場の大阪プールなのですが、施設のサイトでのイベントスケジュールで確認すると、10月一杯までプールからアイスリンクへの転換工事をしていたようで、工事完了の最初の稼働がこの大会だったようです。ですので、リンクはできたての状態で大勢のスケーターに踏み固まれたという経験がないのかもしれません。転換工事直後は、例えば2007年にさいたまスーパーアリーナで行われたジャパンオープンでのリンク作りでは、本番前日にボランティアを動員して集中的に氷を踏み固めたとも聞いています(伝聞情報です)。今回の大会の前にこのような作業がされたのかはわかりませんが、リンクコンディションは普段、練習しているリンクとは異なることがフィギュアの大会では往々にしてあると思います。

今回の大会では、それほどジャンプ失敗が目立ったわけではありませんが、中部選手権での、特にシニア女子の状況は、会場の愛・地球博記念公演アイススケート場の氷が固い(本当に固いです。滑るのには良いのですが、体重の軽い女子が跳ぶとなると..)こともあったのではないかと私は考えています。ですので、普段はフィギュア専用の恵まれた氷で練習していたとしても、大会で結果が出せないという事態は想定しておく必要があるのかもしれません。

話が逸れましたが、村上選手が慎重に、何度も1Aを高く踏み切っていたのは、そういう氷の質を確認してのことかなと思ったのです。もしそうなら、こういうところにも、国際経験が生きているのかもしれません(想像ですが...)。6分間練習の最後に、3F+2Tを降りました。調子は良さそうです。

直前に演技をした村元選手の得点発表を待っている間に、リンクサイドの山田満知子・樋口美穂子両コーチに向かって、うんうんと2度うなづいていました。そして、両腕をギュっと力を込めてから脱力する仕草を繰り返していましたので、かなり気合が入っていたのかもしれません。

ただ、ジャンプに関しては、樋口豊氏風に言えば、「今日は村上さんの日ではなかったかもしれませんね」です。序盤の滑走は非常に早く、最初から非凡さをアピールしていたのですが、3ルッツで転倒、続けてリンクを縦断しての3Fでも軸が大きく右に傾いての.転倒でした。「頑張れ」の声があちこちから聞こえます。ダブルアクセルも空中ではっきりと軸が傾いていましたが、根性で降りたという感じです。

衣装は縦に白と黒のツートンカラーのワンピースで、曲は”Limelight Theme,Modern Titina Chaplin Reoue-Green”とあります。ググってみたところ、”Titina”はモダンタイムスの挿入歌のようです。おそらく、チャップリンの映画の曲をいくつか使ったプログラムだと思います。コミカルでキャッチーな村上選手らしいものです。ジャンプが失敗すると気合の空回りが目立ってしまいがちですが、堂々とした演技で曲の雰囲気をよくつかんでいたと思います。スピンもステップも速度がダントツで、やはり外の世界から凱旋してきた選手という印象を持ちました。ただ、ストレートラインのブラケットは、少し甘いのかもしれません。

演技後にメモを書き込んでいたので、表情を見るのを忘れていたのですが、それほど悲観した雰囲気でもなかったとも思います。こういう経験を踏みながら選手達は大きくなっていくのかもしれません。得点は転倒による減点が2.0で、46.50点でした。PCSは中村選手とほぼ同じなので、コンビネーションを含めてジャンプが決まれば、二人の空中戦となっていたかもしれません。もしそうなったら、ジャンプは3Fからのコンボを持つ村上選手、ステップとスピンは中村選手に分があるのかもしれません。今後が楽しみです。(追記、中村愛音選手も3F+2Tのコンビネーションでした。ジャンプは互角ですね。)

全体として、高いレベルでの接戦を堪能できました。高難度の技術だけでなく、基本的な要素もしっかりしている選手達がいたことは、今後に明るい希望だと思います。特に、小松原選手はジャンプも安定していましたので、これから伸び伸びと育ってほしいなと願っています。選手の良し悪しを観る視点は様々ですが、私はノーマルポジションでのスパイラルに注目しています。フリーレッグを頭ー体幹のラインから外へはみ出して挙げている選手は、背筋と内転筋が弱く、エレメンツのポジションについて指導者から細かく教えられていないと考えています。でも、予選を勝ち抜いた選手達は、さすがにそういう点では気にならないものだと改めてレベルの高さを感じました。

女子ジュニアは、関西・四国勢の強さを感じます。これは、関西大学の支援も大きいのかなと思います。名古屋を中心とした中部勢も、伝統に加えて中京大学にサブリンクも予定され、エリート候補の育成まで行ってくれると思いますので、シニアトップ選手に次ぐ世代も期待できると思います。

ただ、リンク環境が良くなっても、コーチの先生方の多忙さはどうなのだろう?とも心配しています。シニア、ジュニア、ノービス、そして初心者を有力なコーチが一環して指導するシステムが主流だと思いますが、爆発的に増えた入門者への対応がもう少し整理されないと、素質はありながらも伸び悩む選手が多く出てくるかもしれません。その意味で、大学は選手だけでなく、指導者育成にも力を注いでほしいと願っています。特に、初心者対応を考えずに有望ジュニアの青田買いをする姿勢には、若干の疑問を持っています。筋力と意欲に富んでいる大学生の初心者を指導すれば、スポーツ科学的に多くの知見が得られると思いますし、選手としては活躍できなくても、大学卒業後に指導者になる逸材も出るかもしれません。とてももったいないと思っています。

そういう思いを含めても、とても楽しく、今後に夢の持てる数時間でした。

« 今日から... | トップページ | バッジテスト1級を受験します »

観戦」カテゴリの記事

コメント

いつの間にかすごいブログを開設されていたのですね。私はスケカナの村主さんと西日本の町田君の結果を見届けてからは、娘のコンクールのサポートに追われる毎日です。きりがついたら、じっくり読ませてもらいますね。

>さっちゃんママさん

コメントをありがとうございます。まりりんさんの所では、お世話になっております。

もともとは、まりりんさんのところより少し早い時期から開設していたブログなのですが、諸所の関係で閉鎖しておりました。それを、昨年夏から再開したのが、今のブログです。

主に滑る立場から文を記しておりますが、時には観戦の感想もエントリーにしますので、今後ともよろしくお願いします。

娘さんのご活躍、お祈りしております。

この記事へのコメントは終了しました。

« 今日から... | トップページ | バッジテスト1級を受験します »

バナー

フォト
無料ブログはココログ