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2008年7月27日 (日)

THE ICE ’08年7月26日(土) 夜公演前半

昨年に引き続き、愛・地球博記念公園内アイススケート場で開催された、”真夏の氷上祭典2008 THE ICE”に行ってきた。

こんなにも贅沢なアイスショーは観たことがない、というのが一番の感想だ。

STARS ON ICEとFriends on ice 以外は、日本で行われるアイスショーは大抵観に行っている。もちろん、全公演ではなく、ツァーの中一つか二つを観るという意味でだが。でも、今年の”THE ICE”ほどに豪華なアイスショーは観たことがなかった。世界でも滅多にないのではないだろうか...。主催は中京テレビとIMG。IMGの力もあったのかもしれないが、地元愛知県出身の選手を中心とした、愛知県民を主な対象とするローカルなショーに海外のゲストが華を添えるという雰囲気を予想していた。

日本人選手たちの顔ぶれをみれば、昨年よりも今年の方が愛知ローカルの路線を徹底していたことは明らかだと思う。昨年は、高橋大輔選手や武田奈也選手など、県外の選手達も招いていた。でも、今年は愛知県出身者オンリー。しかも、紹介の時には...

「豊橋市出身、鈴木明子選手」とか、「江南市出身、中野友加里選手」とか、安藤選手に至っては、「名東区出身...」...だし。いかにも、わが街、わが市の代表という感じであった。県民体育祭か?と本気で思った。 確か、小塚選手、曽根選手も名古屋市ではなく、出身の区で紹介されていたと思う。浅田姉妹は、聞き逃してしまった。

なので、最初は気楽に観始めたのだが、途中で否が応でも気づいた。もしも、ジュベールが予定通り出演したのなら、とんでもないことになったのではないかと。その意味では、「愛知ローカルの雰囲気をまとったチャンピオンズ・オン・アイス」という印象であった。

客席には、楽曲リストを予め置いてくれてあり、全出演者が載っていたので、それをもとにレポートをしたい。

紹介は、出演順です。

1.浅田舞 シェルブールの雨傘

傘を開いて登場。有名なメロディーの前に、結構長いイントロがある。

3Tをきれいに降り、2Aも安定している。ジャンプはこの二つ。ステップは難易度がそれほど高くないが、氷を削っているのが気になった。スパイラルのポジションは変わらず美しい。雰囲気もあり、よくまとまった演技。背中と腿の筋肉が落ちているように見えた。逆にふくらはぎは肥大しており、下腿に負担がかかっているのではないか?右腓骨骨折の既往があると思うので、少し心配。でも、氷上の演技を楽しんでいるように見え、清清しい雰囲気だった。

2.吉野晃平 情熱大陸

衣装はエスパーダ(闘牛士)風。タイトルの通り、TBS系の週末夜の番組のテーマ曲。緊張していたのか、あまり滑っていない様子。でも、上半身の動きや脚の振り上げなどは思いっきりが良かったと思う。ジャンプも元気一杯で、3Lが2フットながらも降りたと思う。この時に失速してもすぐに滑り出して演技を続けたのは良い印象を与えてくれたと思う。

3.中村愛音 レクイエム

昨シーズンは怪我で欠場が多かったと思うのだが、今年4月の名古屋フィギュアスケートフェスティバルで久しぶりに観て、体型がふっくらしたのにびっくりした。その時もジャンプの調子が悪かったが、今回もフリップが抜けてシングル、サルコウ(?)がダブルになっていた。でも、ドラマチックな難しい曲をよく表現していたと思う。タイトでシュアなジャンプは失ったかもしれないが、得たものも大きいのではないだろうか?ステップにも安定感があったし、スピンもポジションがきれいだった。ジャンプは、踏み切りで失敗していたので、体重が増えて落ちてしまうというのとは違うと思う。子供の頃の感覚から、大人の体型になった今以降を、発想を変えて踏み切りを見直せば、また跳べるようになると思うのだが...。

私見なのだが、子供の頃からフィギュアを習っている人たちは、トゥジャンプでしっかりトゥを突かないことが多いようにも思う。体重が軽い子供の頃はそれでも跳べてしまうが、大人の体になったらしっかりとトゥを突き、まっすぐ後ろに跳ぶことは必要になってくると感じている。

4.曽根美樹選手 101匹わんちゃん

2007年の名古屋フィギュアスケートフェスティバルと同じ演目。2007-8年は”大奥”だったので、その前のエキシビションを復活させたのではないか。登場前の紹介VTRでは、”ゲゲゲの鬼太郎”のエキシナンバーの映像も出ていた。ちょっと夢に出そうな鬼太郎ぶりだったが...。

”101匹わんちゃん”をWikipediaで調べて知ったのだが、クルエラという、ダルメシアンで毛皮のコートを作ろうとする悪役の女性を演じていたらしい。犬の毛皮ってモサモサして着にくいように思うのだが、ディズニーの発想はわからない。

途中からヒモで引っ張る車輪付の犬のおもちゃを氷上に転がして演技をしていた。2007年の名古屋フェスでは途中で、このおもちゃがひっくり返り、横転したままでデススパイラルを犬(おもちゃ)にさせていたが、今回はきれいにサークルを描かせていた(曽根選手は円の中心でピポット動作をする)。演技後のレヴェランスの時にも、東→西→南とそれぞれに挨拶する度に、横に置いた犬の向きを替えて頭をなでており、会場の笑いを得ていた。ジャンプはアクセルがシングルだった。

5.鈴木明子選手 リベルタンゴ

今年のDOIと同じ演目。彼女の今年のプログラムは発表されていないと思うのだが、この曲はSPになるのだろうか?それとも、エキシビション用なのだろうか?構成はSP用ではないのだが、とても雰囲気があって強い印象を観る者に与えるので、試合で使ったら効果的ではないかと感じてしまう。特に最後のストレートラインは圧巻。たぶん、曲のテンポも少しずつ早くなっているのだと思うが、息づまるような高揚感のうちにフィニッシュを迎え、彼女の名前と演技を心に留めずにはいられなくなると思う。スケーティングに粘りがあり、とても伸びやか。

ジャンプは、3Lをしっかり跳んだがステップアウトしてしまった。でも、軸は保たれていたので、崩れることなく滑り始めた。ほとんど、予定されているRBOスリーのような感じ。ダブルアクセルのランディングは思いっきりRBIに入ってしまった。こちらも、氷を削りながら持ちこたえたが、足首を痛めなかったか心配になった。フィナーレでもしっかり滑っていたので、多分大丈夫だと思うし、そう信じたい。

全くの余談だが、このアイスショーを泊りがけで観に来る人たちが、名古屋での時間をどうつぶすかを話題にしていたのをネット掲示板で見かけた。そのやり取りに参加はしなかったのだが、スポーツランド邦和の玄関の明子さん(小塚崇彦選手応援サイトより)に挨拶に行っても面白かったのかもしれないと、今日思った。

6.シニード・ケアー&ジョン・ケアー

生で観るのは、2007年東京ワールドに次いで2回目。あの時は、”ラスト・オブ・モヒカン”というプリミティブな演目をドラマチックに表現したのを覚えている。それはフリーダンスだったが、今回は2007-8シーズンのオリジナルダンスの”Auld Lang Syne”を踊ってくれた。衣装はスコットランドの民族衣装で、弟のジョンは腰にキルト(というらしい)を巻いていて、とても上品な雰囲気。

白い氷の上で、衣装と演技だけで、ある時はインディアンの末路を、ある時は母国の牧歌的自然を表現できるのも、フィギュアスケートの面白さだと思う。背景や台詞がないからこそ、観る側は演技に様々な解釈を込めることができる。そういう自由がフィギュアにはあると思う。

そして、アイスダンスのダイナミックさを存分に披露してくれた。難しいポジションでのリフトや美しいカーブリフトがあると思ったら、突然姉(シニード)が弟(ジョン)を担ぐ。アニシナ・ペーゼラ組をほうふつとさせるリフト(アニシナ以上に逞しく、しっかりと男性をリフトしていたようにも見えた)だったが、そのままジョンを後ろに放ってしまうこともあった。適切な表現がわからないのだが...、シニードのサポートを受けてジョンが彼女を飛び越えるというか、そんな感なのだが...。女性が男性を担ぐという新鮮さに、会場はおおいに沸いた。

私もそれに目を奪われてしまい、肝心のステップを注意して観るのを忘れてしまった。でも、ミッドラインでの二人で互いに交差しあう部分はとてもきれいだった。まるで糸で引き合うかのように、二人の間に磁力を感じた滑りだった。

7. 小塚崇彦 Save The Last Dance For Me

邦題は「ラストダンスは私と」で、越路吹雪も歌っているようだ。アメリカではドリフターズのが有名らしい。ドリフのは、だいぶ乗りの良い曲調になっていたが。小塚選手のは誰が歌っているものか、私にはわからなかった。

DOIで観た時に、なんて渋い曲を...と思ってしまった。昨年のベンチャーズやビートルズもそうだが、誰が彼のためにこの手の曲を用意するのだろうか。「らしく」踊ってしまう小塚選手もすごいのだが...あまりに年齢不相応で彼のイメージが固定化してしまわないか、少し心配でもある。でも、こういうレトロな曲でもこなしてしまえるのだから、ダンサブルなアップテンポな曲でも、ラップのような旋律があるのかないのかわからない曲でも、多分大丈夫なのだろう。2005年のDOIでは”Car Wash”という今の若者風のエキシもやっていたし。

【アンコール】小塚崇彦&ジョン・ケアー Frash

予め配布された、楽曲リストの中に既にアンコールと刷られていた。アンコールは後半にもう一つあったが、そちらの方はびっくりするメンバーだった。

でも、サービス度からすれば、小塚&ジョンのペア・スケーティングは貴重かもしれない。「俺達フィギュアスケーター」の世界を演じるといったアナウンスに続いて二人が登場。ジョンはまだ、スコットランドの衣装のまま、Queenの曲に乗せて小塚選手とおそろいの振付をしてくれた。盛り上がりでは、ジョンが小塚選手を放ったスロージャンプ(シングルアクセル?)を見せてくれたが、男性(両方ともか...)が放ったというよりも、小塚選手がタイミングをみながら自分で跳んでいったという感じだった。多分、ジョンがダンス用のブレードということもあってだと思うが、二人揃ってのソロジャンプはなかった。

そういえば、殿&友加里のペアはどうなったのだろう?

8.長洲未来 At the Beginning

昨年のTHE ICEでは、”Don't Stop Me Now”で、タイトル通り止まることを知らない勢いを見せてくれた。今年はガラっとイメージが代わり、ロングヘアーで柔らか味のある色合いのドレス風のコスチュームでしっとりとした雰囲気の演技。それでも、滑走スピードの速いこと。ジャンプの助走で、あっという間にリンクを縦に端から端へと駆け抜けていく。キャロライン・ジャンのパールスピンとは違うが、ビールマンポジションに入る前に、フリーレッグを腰から下でキャッチし、そこから上へ持ち上げていく。ビールマンになったとたんに回転スピードが上がるからすごい。

ひどく俗っぽい言い方で申し訳ないのだが、「可愛い顔して、やることはしっかりやる」という二面性を感じずにはおれない。紹介のアナウンスでは、バンクーバーで真央最大のライバルになると言われていた。シニア2年目でそこまでいくかはわからないが、末恐ろしい選手であることは、改めて感じた。ただ、会場全体を自分の演技で充満させるほどの存在感はまだないと思う。多分、曲や振付への解釈の深さの問題だと思うのだが...。でも、本当に爽やかな風を感じずにおれない演技だった。

9.浅田姉妹ペア DREAM GIRLS

昨年の試みのフルバージョンと紹介されていた。

世界の頂点へと唯我独尊という感じで極めている真央選手と、舞選手とがどうコラボするのか不安を感じていた。でも、「案ずるより産むが易し」とはこの姉妹のためにあることわざかもしれない。全く違和感の無いコラボレーションだった。二人の違いが際立つことなく、お互いへの気遣いすらも想像できるくらいに優しさがあふれる演技だった。さすがに、スピンの回転までシンクロすることはなかったが、滑走スピードや目線の向き、スケーティングの質など、双子のようにそろっていた。

真央選手に比べると、やはり舞選手の脚はほっそりしていた。特に腿のあたりの肉の無さが気になったが、調子のムラの原因とならないことを祈る。逆に言えば、真央選手がしっかり「足を作っている」のはさすが、と思った。

以上で、前半は終了。     (次のエントリーに続きます)

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コメント

こんな素敵なショーがあったなんて!!

鈴木明子選手好きですよ。

新ルールになってから、あれだけ音をとらえて演技出来る選手って、なかなかいないですよねぇ。

見てみたかったです、うらやましい!!

>yuujiさん、おはようございます。

コメントをありがとうございました。
本当に凄いショーでした。ご飯3膳分くらいにお腹一杯で、満足というよりも、「こんなに凄い人たちを愛知に呼んじゃって良いの?」と心配してしまいました。

幸い、今回は出演者と演目を印刷したリストを配布してくれた(とても助かりました)ので、大きな間違いはないとは思いますが、記憶に頼って書いていますので、ご了解下さい。

>>新ルールになってから、あれだけ音をとらえて演技出来る選手って、なかなかいないですよねぇ。

明子選手は、エレメンツをこなすというだけでなく、しっかりと演じてくれますよね。ステップシークエンスは、一音一音にステップを重ねていくという感じで、本当にすごいと思います。

後半を、現在、鋭意準備中です。マスターズのように2ヵ月後にやっと完結ということがないよう、近日アップを目指しますね。少しだけ予告ですが...トークコーナーの未来&安藤の分量を大目にレポートします。ちょっと思い入れも入ってしまいました。

後半の演技は、記憶が薄れない(メモとか全然してないので...)うちに、打ち込めるかが勝負です。

感想を一言で言えば、コーエン!(復活) コーエン!!(シャーロット)  コーエン(ナース服)!!! の後半でした。彼女、きっとまた日本に来てくれると思います。必見です。

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